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<今季初メジャーどうだった?>世界ランク103位の21歳タイ人が“完全優勝”…予選落ちの渋野日向子ら、日本勢の収穫とは
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byGetty Images
posted2021/04/06 06:00
今季初メジャーとなった「ANAインスピレーション」では予選落ちを喫した渋野日向子
今大会初出場を話した笹生は、全盛期のヤニ・ツェン(台湾)を彷彿させる力強いスイングで、当初の目標の予選通過を果たした。
「最終日にレキシー(トンプソン)さんと一緒に回って、我慢のゴルフだったり、攻めのゴルフだったり、色々勉強になりました。(次戦の)ハワイは行ったことないので、行ってからのお楽しみです」(笹生)
今大会のドライバーの平均飛距離291.00ヤード。今後、海外の舞台を経験してどう成長していくか楽しみな19歳に片平も期待を寄せる。
予選落ちの渋野は「悩むことはない」
「今まで、海外で戦うためには飛距離が必要だと思っていたのですが、飛距離以外のことで何打も縮められると実感しました」とは、昨年10月の全米女子プロゴルフ選手権3日目の渋野日向子のコメントである。昨季の海外遠征の経験をふまえて、スイング改造やクラブセッティングの変更など、強くなるためにプロセスを踏んでいる渋野だが、“大きな成果”を期待してしまうファンにとっては物足りない結果だっただろう。
ただ、片平は予選落ちを喫した渋野に対して「全体的な内容は良かった」と振り返る。特にウエッジを4本入れたことが、印象に残ったという。
「4本入れたことで、110ヤード以内を本人の好きなところに刻んで、チャンスにつけるということを2日間徹底してました。アメリカはコースによって色んな芝があるので、4本あることで、色々試すことができますし、去年に比べて、マネージメントがよくなってると思いました。硬いグリーンの影響で苦戦した部分はありますが、まだ(アメリカの)初戦ですし、悩むことはないですね」(片平)
渋野自身も2日目を終えたインタビューでは手応えも口にしている。
「予選落ちに関しては悔しいところがあるんですけど、一つ一つ内容を考えていくと、成長してるところがたくさんあったので、そういうところをしっかりフォーカスして、もっとそこのレベルを上げていけるように。あと今回足りなかったところをしっかり練習して、約3カ月間、アメリカツアーで戦えると思うので、アメリカにいる間はもっと練習していかなきゃなと思います」
アマ梶谷翼(17歳)の快挙
そんな日本人選手が苦戦するメジャー初戦の真っ最中、ゴルフの聖地で行われた「オーガスタナショナル女子アマチュア」で17歳の梶谷翼が優勝したというビッグニュースが飛び込んできた。渋野とも親交があるという高校生が日本人初の快挙を成し遂げたのだ。
次々と若い日本人ゴルファーが臆することなく海外で挑戦している。各選手が少しずつ確実に成長していることを、ANAインスピレーションから垣間見ることができた。