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中村憲剛&石川直宏に質問!『マークされると嫌だな』と思った選手は誰ですか? “岩”みたいで当たると“痛い”「彼」とは
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byYoshiaki Matsumoto
posted2021/04/08 11:00
「多摩川クラシコ」を前に、両クラブを代表するレジェンド対談が実現。試合の見どころと当時のダービーを振り返ってもらった
中村 体をぶつけられて、思わず「おい!」って言っちゃったこともあるよ。「あ、すんません」って返されるんだけど(笑)。
石川 彼は試合が始まるとスイッチが入って、“素”でプレーしてますから。怒られたときには、「すんません!」って謝るけど、またすぐ素に戻る。
中村 ピッチの中と外で性格が全然違うから、面白いんだよね。
――では、そんな「彼」の名前を教えてください。
中村 コンちゃん(今野泰幸)!
石川 球際が「強い」選手はたくさんいます。コンちゃんは確かに「痛い」。ほかには、前田遼一とか。どっちも同世代なんですが……。
中村 確かに遼一も、そうだね。なんでアテネ五輪世代ばかりなんだろう……FC東京戦では、コンちゃんに近寄りたくなかったなぁ。ボランチにいるときだけじゃなく、センターバックとしても嫌だった。もう1人、FC東京戦で印象的だったDFはトク(徳永悠平)。‟対レナト専用機“みたいな感じで、いつもレナトとバチバチやっていたのを、よく覚えていますね。普段はおっとりしているのに、フロンターレとやるときは、絶対気合いが入っていた。
石川 そうなんですよ。あいつは、強い相手が目の前にいると気合いが入るタイプで。
中村 特にレナトに対しては、完全にロックオンしている感じだったよね。名勝負も多かったな。
得意のクラシコで悩まされたのは?
続いては、石川直宏編。縦に、中に、その突破力で『多摩川クラシコ』でも通算3ゴールを決めたアタッカーも、川崎F最終ラインに君臨したあのDFに悩まされたという。
石川 駆け引きがうまいんですよ。身体能力も高いし、速いし。
中村 そうそう。確かに速い。
石川 縦に抜こうと思っても、スピードで対応されたり。僕をスピードに乗らせておいて、いつの間にかドリブルのコースを消していたり。間合いが良いから、僕からすれば「早くボールをくれ」という状況でも、パスの出し手からすると出せない感覚に陥る。他の最終ラインの2人との関係性も良かったですよね。
中村 “山脈”ね。
石川 そう。僕がドリブルでゴール前に運んだとしても、寺田周平さんと箕輪義信さんが寄せてくるから、シュートまで行けない。あの頃のフロンターレの守備は嫌でしたね。