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8試合で9得点は“攻撃が単調すぎる”? 対湘南戦で見えた「川崎Fにあって名古屋にない」決定的な差とは
posted2021/04/08 18:15
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE
「サッカーの試合ではよくあることですけど、全員でペナルティエリアに入ってきて守るという相手には苦労します。(10人の相手に)やるべきサッカーにトライしたんですけど、守り抜かれてしまった」
試合後、そう語ったマッシモ・フィッカデンティ監督の表情は明らかに不満気だった。
同じリズムで攻撃を繰り返す“単調な攻撃”
前半43分、湘南ベルマーレのアンカー三幸秀稔が3分間で2枚のイエローカードをもらい、退場。名古屋グランパスは数的優位に立ち、勝ち点3を得るには願ってもない状況になった。
だが、その有利さを名古屋は生かしきれなかった。いつでも点が取れるというような思いがあったのだろうか。攻撃が単調で、かつ迫力不足。同じようなリズムでサイドから中に入れるばかり。まるで判で押したような攻撃が続いた。
湘南の選手たちはそんな名古屋の攻撃に怖さを感じなかったのではないだろうか。
全体のラインを15mほど後ろに下げて守りを固め、ボールホルダーには厳しく当たった。湘南のGK谷晃生は、「全員で集中して守れていた」と語ったが、名古屋が同じリズムで攻撃を繰り返していたので、湘南も良いリズムで守れていたということだ。時間を追うごとに得点を焦る名古屋と、それを堂々と跳ね返していた湘南は、どちらが数的不利に陥っていたのか、分からないような状態だった。
業を煮やしたフィッカデンティ監督は、齋藤学、前田直輝、阿部浩之ら攻撃的な選手を入れるも攻め方は変わらず、単に人が代わっただけ。守りに手応えを感じていた湘南を捉えることができず、勝ち点3を取り損ねてしまった。
今季は川崎フロンターレを追って優勝を目指しているだけに、こういう試合の取りこぼしは後半にかなり響いてくる。優勝を狙うのであれば、今後はやってはいけない試合だろう。ただ、この結果から見えてきたものもあった。川崎Fにあって名古屋にないもの、名古屋が優勝するために欠かせないものである。
昨季は失点はJ1最小でも「点が取れなかった」
昨季、名古屋は28失点でJ1リーグ最少失点だった。
今季も湘南戦で7試合連続の無失点記録を続けるなど堅守は健在だ。だが、昨季は45得点で、優勝した川崎Fの88得点の約半分。一方で川崎Fの失点は31と、名古屋に次いで2番目に少なかった。名古屋の勝ち点は63だったが、スコアレスドロー4試合を勝ちゲームにできれば、勝ち点12を上積みできたことになる。