Number ExBACK NUMBER
「特別ボーナス出ちゃったりして。はっはっは!」巨人・原監督が“グー”ではなく、“チョキ”を出した理由とは?【撮影ウラ話】
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byTetsuo Kashiwada
posted2021/04/01 17:05
原辰徳監督が表紙を飾るのは、2010年の745号「勝つ組織論」以来で、現役時代も合わせて5度目
鷲田康さんによる巻頭インタビューで、原監督は自らの原風景についてこのように語っている。
「父が地元の無名の公立校を率いて甲子園大会で優勝した。その優勝旗を手に凱旋パレードをしたんですね。そのときの光景です。すっかり活気を失っていた大牟田の街にパッと灯りが灯り、父を出迎えるために集まった町中の人々の熱狂する姿が忘れられません。(中略)まさにいま、コロナとの戦いの中で、私はあのときの風景を思い出しています。(中略)プロ野球がリーダーシップをとって、積極的にコロナ禍の中でも前進する姿をお見せしたいと思っています」
閉塞感の漂う時代にあって、原辰徳という野球人の、そしてプロ野球の持つ明るさを、この「ピースサイン」で最大限に表現してみた――というわけなのだ。もちろん、原監督自身の「V宣言」、そして「20年目」の意でもあることは、もはや言うまでもないだろう。
原監督は撮影の終わりに、こう言って笑った。
「売れるといいね! 特別ボーナス、出ちゃったりして。はっはっは!」
こちらも自然と笑顔になる。やはり、この全身から放たれる明るさこそが、長い間激しい競争にさらされながらも強くあり続けられる理由の一つに違いない。
はい! 監督! 僕も特別ボーナスほしいです!