甲子園の風BACK NUMBER
なぜ天理・達孝太のストレートは分かっていても打てない? 「角度が1度違う」だけで…【センバツ注目右腕】
text by
間淳Jun Aida
photograph byJIJI PRESS
posted2021/03/30 17:02
高いリリースポイントから投げ下ろす達孝太のピッチングは、相手打者を幻惑する
マウンドから18.44メートル離れたホームベースに投球した場合、達の投球が作り出す角度は約8度。173センチの投手による角度は約7度。2人の投手による角度の差は1度ほどしかない。
わずかな角度の差でもフォークが加わると……
数字では、ごくわずかな差に見えるが、角度が1度違えば上下30センチもボールの軌道が変わるということを意味している。そこにマウンドの高さ25.4センチが加われば、打者はさらに高い位置からボールが来ると感じる。特に、達のフォークボールのように打者の目線を上下させる縦に変化する球種を持つ投手の攻略は難しくなる。
自己採点「0点」の投球で、ストレートを狙う仙台育英打線を抑えた天理の達孝太。「80点」、「100点」がつけられたとき、相手チームの打者は、どんな表情を浮かべ、どんな言葉を漏らすのだろうか。
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