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平均年齢21.7歳! サッカーアメリカ代表が若手&海外組中心で「世界を驚かす」【26年共催W杯へ虎視眈々】
text by
ティエリー・マルシャンThierry Marchand
photograph byPierre Lahalle/L’Équipe- Adobe Stock
posted2021/03/28 17:00
ブンデスリーガのRBライプツィヒで活躍するタイラー・アダムス(左)。アメリカ代表には18歳でデビューしている
グローバリゼーションはすでに進行している。大西洋を挟んだヨーロッパでは、ミランやローマ、リバプール、マンチェスター・ユナイテッド、フィオレンティーナ、マルセイユといったビッグクラブに、アメリカ資本が投下されている。また選手も、多くがヨーロッパに活躍の場を求めている。正確な数字をあげれば、今年1月末現在で62人が15か国の1・2部リーグに所属し、うちふたりがリーグアンでプレーしている。リールのティモシー・ウェアとカーンのニコラス・ジョアッキーニで、どちらも20歳。ともにバーホルターの代表グループに入っている。
フランスのバスケットボール選手がNBAで成長したように、アメリカのサッカー選手もこの20年間にサッカーがメジャースポーツではなかった本国を離れ、ヨーロッパのサッカー文化のなかで本物のサッカーを知り、育成教育を受けてサッカーへの渇望を満たしてきた。
アメリカでもサッカーは日常になった
その結果、文化的・社会的な変化を誘発しながら、サッカーは徐々にアメリカ社会に根を下ろしていった。中心となったのがMLSで、彼らが創設したアカデミーは、しばしばヨーロッパのビッグクラブの観察拠点となった。またサッカー協会(USサッカー)も育成プログラムを拡充し、さまざまなインフラを整備した。さらにはテレビもW杯やCLをはじめとする国際的な大会を放映し、アメリカでもサッカーが日常的に見られるようになった。
21世紀初頭には考えられないことで、今日、アメリカの若者たちは、NFLと同様にCLやプレミアリーグに親しんでいる。そうしたすべてがサッカーの成長を促した。ベースボールとアメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケーの4大メジャースポーツと肩を並べるスポーツとして、サッカーはアメリカ社会に文字通り屹立したのだった。
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