体軸がしっかりしているからこその芸当

　それは体のバランスの良さ。

　パスを出した後に相手と接触してもスピードに乗って前へ出ていき、極めつきはこぼれ球への反応だ。弾かれたボールは相手がいる内側のほう、つまりは自分のところにこぼれてきたわけではない。それでも相手より先に体勢を整えて右足でボールを捉えている。

　体軸がしっかりしているからこその芸当である。

　日課として取り入れているのが懸垂のトレーニングだ。1日10回を3セット、「筋肉にちょっときているな」でやめるくらいがちょうどいいとか。

　バランス感覚というよりも本人的には「体が整う」ということらしい。昨年7月に左肩を痛めてしばらくはできなかったが、トレーニングを“復活”させてからは体の仕上がりがいいと感じている。

　長谷川健太監督からは「フィジカルを強くしろ」と口酸っぱく言われてきた。強いだけでなくしなやか。当たり負けせず、反応早く体勢を取れるとなればゴール前で脅威となることは間違いない。

セレッソ大阪戦での魂のゴール

　今季初ゴールもこぼれ球への反応だった。

　3月3日のルヴァンカップ、グループステージのホーム、徳島ヴォルティス戦。永井謙佑のクロスに対する相手のクリアが小さかったところを見逃さず、左足で蹴り込んでいる。この場面では中に走り込む際に、パスをくれと手を挙げて永井に要求している。自分へのパスではなかったものの、最終的にはシュートチャンスが来ると信じて走り込んでいたのが大きかった。

　3日後、リーグ戦今季初先発となったセレッソ大阪戦では魂のゴールが生まれている。

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