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コロナ禍で問われるNPBの「行政手腕」。~具体策なしのトップに求めるもの~

posted2021/03/25 07:00

 
コロナ禍で問われるNPBの「行政手腕」。~具体策なしのトップに求めるもの~<Number Web> photograph by KYODO

昨年、プロ野球とJリーグの「新型コロナウイルス対策連絡会議」後の会見に臨む斉藤コミッショナー(右端)

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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KYODO

 改めてあの時の言葉を思い出す。

「私には権限も金もない」

――2004年の球界再編騒動。選手会とファンの猛烈な突き上げの中で、当時の根來泰周コミッショナーが吐き出した本音だった。

 騒動が一段落した翌年、根來さんは日本記者クラブで講演を行っている。そこで再編騒動を踏まえて、これまでは「司法」の役割しかなかったコミッショナーの権限を「行政」にも拡大して、企業で言えばCEO的な役割を担わせることの必要性を説いていた。

 何か問題が起これば法の執行者として監視、制限、許可、処罰等の「司法的役割」を担うのがそれまでのコミッショナーに与えられた権限だった。しかし再編騒動を乗り越えて、これからは事が起これば球界全体の利益や社会的な役割を果たせるように「行政的役割」へと権限を広げる。「権限も金もない」コミッショナーの惨めさを一番、痛切に味わっていたのは根來さん自身だったからである。

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