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【MotoGP開幕】絶対王者マルケスの不在で混戦必至 ホンダ、ヤマハ、スズキ、ドゥカティ…全チームに勝機十分の開幕戦プレビュー
posted2021/03/26 17:02
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
まもなく、2021年ロードレース世界選手権(WGP)が、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕する。
昨年は、無観客レースを基本とし(イタリアとフランスでは観客数を制限して入場させた)、サーキットに入場できる関係者の人数を大幅に制限した。毎戦PCR検査を義務づけ、専用アプリで検査結果とサーキットへの入退場を管理。新型コロナに感染した関係者は、陰性になるまで入場できない。それは選手も同じで、昨年はバレンティーノ・ロッシをはじめ、何人かのライダーが、感染または濃厚接触者として出場できず、Moto2クラスのホルヘ・マルティン(今季はMotoGPクラス)は新型コロナに感染、Moto3クラスのトニー・アルボリーノ(今季はMoto2クラス)は濃厚接触者となったことで、チャンピオン争いから大きく後退した。
MotoGPクラスでタイトルを獲得したジョアン・ミル(スズキ)は、「チャンピオンシップのプレッシャーより、新型コロナに感染するんじゃないかという不安の方が大きかった」とコメント。コース上の戦いだけでなく、新型コロナとの闘いが選手たちに重圧となってのしかかっていた。
今年も状況は同じで、2月に予定されていたマレーシアテストがキャンセルされ、シーズン序盤に予定されていたアルゼンチンGP、アメリカズGPも延期が早々に決まった。そのため、開幕戦の舞台カタールで2週連続の大会開催となり、第1戦カタールGPと第2戦ドーハGPが行われる。
そのため、カタールに1カ月以上滞在する関係者、ライダーも多く、これまで経験したことがない状況が生まれた。入国から出国まで指定されたホテルに宿泊し、主催者が用意したバスでホテルとサーキットの往復をする。ホテル内では一般客と接することがないよう厳密にエリアが分けられ、PCR検査も5日に一度受けるという徹底した「MotoGPバブル」が形成されている。
絶対王者マルケスは開幕に間に合わず
開幕前の一番の話題は、昨年怪我のためにシーズンを棒に振ったレプソル・ホンダのマルク・マルケスが、開幕戦に復帰するかどうかだった。しかし3月22日、レプソル・ホンダは第1戦カタールGPと第2戦ドーハGPにマルケスが出場しないことを発表した。