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【センバツ】99年夏「0-34」から始まった京都国際…プロ6人輩出、原石を磨く育成力でついに甲子園へ
text by
高木遊Yu Takagi
photograph byYu Takagi
posted2021/03/23 17:01
春夏通じて初の甲子園出場となる京都国際高校。今年は山口主将を中心としたチームワークを武器に臨む
「初出場らしく」ではなく
山口主将がつくり出す雰囲気を「こっちが心配するほど上下関係がない」と小牧は苦笑いするが、結果的に1年生の伸び伸びとしたプレーを引き出した。特に森下瑠大と平野順大という左右投手2枚看板が互いが切磋琢磨し、秋季大会通算でともに防御率2点台前半の好投。打っても両者ともに4割を超える打率を残す活躍でチームを牽引した。
甲子園でも「初出場らしく」ではなく「初出場らしからぬ堂々とした野球をしたいです」と、小牧と山口は口を揃える。
大敗から始まった22年の歴史に、甲子園初勝利という新たな歴史を刻めるか。個の力を高め、結束力も強くなったチームに、よそいきの野球は必要ない。あのボール回しのように、華麗に選手たちが甲子園の土の上を舞えば、勝利は自ずと近づくだろう。