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【武豊52歳に】天才ジョッキーが漏らしたディープの重圧、デムーロ「ユタカさんは嫌いだよ!」の真意とは
posted2021/03/15 06:00
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Takuya Sugiyama
<名言1>
ディープでゴールした時は、毎回心底ホッとしてたよ。
(武豊/Number927号 2017年5月18日発売)
◇解説◇
2019年7月30日、ディープインパクトが17年の生涯を閉じた。
無敗での三冠制覇をはじめ、種牡馬になってからも数々のGIホースを輩出した名馬は、平成の日本競馬史を変えた1頭と表現して過言ではない。
そのディープの全14レースの鞍上を任されたのは、武豊だった。スターホースゆえ、天才ジョッキーですら大きなプレッシャーに悩まされた。
「勝てるとは思っていても、競馬だからやってみなければどんな結果がでるかわからない。勝っても『やったー』ではなくて『やれやれ』という気持ちだった」
それほどまでに日本じゅうから「強さ」を求められた馬だった。
武とディープインパクトはその重圧を乗り越え、歴史に名を刻んでいる。
<名言2>
敗戦の中にヒントがある。
(武豊/Number964号 2018年10月25日発売)
◇解説◇
2018年9月にJRA通算4000勝を達成した武豊は、「長年競馬をしていると、いいことも悪いこともありました」と、ジョッキー人生を振り返る。
「いいことがあったからって浮かれるのもよくないし、負けていちいちガクッと落ち込んでもしょうがない。一喜一憂をしていてはいい騎手にはなれないと、いつからか考えるようになりました」
その一方で「1番人気で負けると嫌なものですが、負けてしまったレースの映像は最低でも3回はしっかり見て振り返ります」と、武は反省と分析を怠らない。
競馬は必ず次につながる。探究心と冷静さを兼ね備えているからこそ、勝利を積み重ねることができるのだろう。