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大震災翌日、オシムから届いたメッセージ「私自身、日本という家族の小さな一員」「みなが生きて連帯していけば…」
posted2021/03/11 17:04
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Takuya Sugiyama
2011年3月11日、NumberWebではメールマガジン「オシム問答」の創刊準備中だった(現在は休刊中)。東日本大震災を受けて、オシム氏は急遽予定を変更して創刊号に被災者や日本全体に向けたメッセージを寄せてくれた。貴重な言葉だが、すでにどこにもオープンになっていない状態のため、発生から10年を迎えた本日、再公開したい。(初出:2011年3月21日発行のメールマガジン「オシム問答」、情報などはすべて当時)
私自身、日本という家族の小さな一員だと思っている
今回の東日本大震災に関して、日本時間12日(土)夜、イビチャ・オシムからメッセージが寄せられた。当初は創刊の辞がここで述べられるはずだったが、日本が直面する状況を鑑みたとき、このメッセージこそ巻頭に置くべきものだとの判断のもと、ここに掲載します。オシムと彼の家族とともに、筆者(田村)からも被災された方々へのお悔やみを心から申し上げます。また、消息不明となっている方々の早期発見を祈念しております。
なお、震災被害の深刻さを鑑みると、このオシム氏のメッセージはより早く、より多くの人に読まれるべきだと考え、特別に先行して「オシム問答」公式ブログ(注・現在は閉鎖)にアップさせていただきました。何卒ご了承ください。
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犠牲になったすべての方々の冥福を謹んで祈りたい。家族も私も、心は彼らとともにある。
少なくとも私自身、日本という家族の小さな一員だと思っている。10年日本に住めば、日本人になるのは当然だ。そうである以上、無関心でなどいられない。
どうしたら具体的に力になれるか、今はまだわからないし、実際に力になるのは難しいかもしれないが、われわれも被害を受けたみなさんとともに生きることはできる。