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「現役時代はその必要性を感じなかった」 レズビアンを公表した滝沢ななえが語る“言う言わないの自由” 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2021/03/07 06:04

「現役時代はその必要性を感じなかった」 レズビアンを公表した滝沢ななえが語る“言う言わないの自由”<Number Web> photograph by AFLO

2007年、バレーボール現役選手時代の滝沢ななえ。競技生活においてはカミングアウトの必要性を感じたことはなかったという

競技生活ではカミングアウトの必要性を感じなかった

 一方で、競技生活中も含め、それまでカミングアウトしなかったのはその必要を感じていなかったからだとも語る。

「私の体験談でしか話せませんが、カミングアウトした方がいいと思うことが、まずなかったですね。特に私の場合、性自認は女性で女子チームに所属していることに違和感がないし、言わなくても特に問題がなかったんです」

 1つ気になったのはファンの存在だった。滝沢は男性のファンが多かったが、「がっかりさせちゃうかな」と考えることもあった。

「でも、『私たちは滝沢ななえさんという一人の人間が好きなので、これからも応援します』とあたたかい言葉をいただいたり、ネガティブなことは直接目や耳に入ってくることはなかったです」

 自身がレズビアンだと気づいたのち、周囲に打ち明けたあとも、テレビ番組でカミングアウトしたあとも、それがために差別的な経験をしたり、困ったりしたことはあまりなかった。

カミングアウトをするかしないかは個人の自由

 その上で、滝沢は語る。

「言えないことが苦しい人と、言わなくてもいい人、いろいろなスタンスがあると思います。言う言わないは個人の自由です」

 そして「言えないことで苦しんでいる人がいるなら」と続けた。

「スポーツをやるにあたって、メンタルはとても大事になってくると思います。プライベートで悩んで苦しんでいる、そういうところもプレーに出てしまったりします。私が言えるのは、理解してくれる人は思っているよりもきっとたくさんいるということ。言えないことが苦しい、孤独を感じているとか、それによって前向きにプレーできないのであれば自分自身で一歩踏み出すと世界が大きく変わるんじゃないかと思います」

 それを自身の体験から実感するからこそ、こうも語った。

「悩んでいる人も多いと思うし、そういう人の勇気とか励みとかに少しでもなれればいいなと思ってカミングアウトに踏み出したので、もし1つのモデルになれていればうれしいと思います」

(【続きを読む】日本と海外の違いは「同性愛者の存在が見えているか」 元バレー選手・滝沢ななえが思う“女ってさ”論争の難しさ へ)

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