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「現役時代はその必要性を感じなかった」 レズビアンを公表した滝沢ななえが語る“言う言わないの自由”
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2021/03/07 06:04
2007年、バレーボール現役選手時代の滝沢ななえ。競技生活においてはカミングアウトの必要性を感じたことはなかったという
テレビドラマを見て「こういう恋愛もあるんだ」
自身が女性が好きであることに気づいたのは、テレビドラマがきっかけだった。
「私自身が女性の方が好きだと確信したのは21、22歳くらいの頃でした。当時、上野樹里さんが出演していた『ラスト・フレンズ』というドラマが放送されていました。上野樹里さんが女性を好きになるストーリーで、観ていて『私ももしかしたら女性が好きなのかもしれないな、こういう恋愛もあるんだ』と目で見えたのが気づきのきっかけになったと思います」
気づく前と後での変化をこう語る。
「女性が好きだなと確信する前は男性ともおつきあいしていました。ただ、まわりの友達のつきあっている話を聞いていると、どうも私は彼のことをそんなに大好きになれていないなと思ったり、友達に『あんた、ひどい奴だな』みたいなことを言われたり。自分の心がおつきあいしている相手にないのを自分の中でも感じているし、自分は人を好きになれない人間なのかなと考えることもありました。確信がないときのほうが恋愛に関してはすごく大変だったかなと思います」
自身の性的指向に気づいたのち、「この人は知っておいてくれたらうれしいな」と思う人にはそのことを話してあったが、テレビでカミングアウトしたことで内面はより楽になったと言う。
「カミングアウトする以前は、例えば男性から好意を持たれても応えられないというか、ほんとうはそうじゃないんだけどなあと思いながらお会いしてお話ししたりしていましたから」