高橋藍のカラフルデイズBACK NUMBER
「藍が“しんどい”なんて珍しい…」悩める高橋藍(24歳)の目を覚ました“ある先輩”の助言とは?「バレーボールはもっと本能でやればいい」
posted2025/10/03 11:04
世界選手権を振り返った高橋藍(24歳)。すでに視線は石川祐希を擁するペルージャとの親善試合、そして開幕を控えるSVリーグに向いていた
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高橋藍Ran Takahashi
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xinhua/AFLO
◇◇◇
――世界選手権が終わりました。現地フィリピンでも「切り替えるしかない」と話していましたが、帰国した現在の心境は?
「悔しさはもちろんありますが、もっと何かできたんじゃないかという思いよりも『これが現状だ』という気持ちのほうが強く残った大会でした。チームが暗くならないようにという気持ちもあったし、負けてしまったことをずっと考えていても仕方ない、これを一つの経験として次につなげるしかなかったので、あえて『切り替える』と口にしていました。ただ、次勝つためにはどうしたらいいんだろう、という悩みはありましたね」
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――悩み?
「正直、大会前から勝てる気がしていなかった。不安要素をもって臨んだ大会ではあったので、ある意味『こういう結果になるよね』と。だから余計に、どうしたら勝っていた頃と同じようなバレーができるんだろう、という迷いと悩みがありました」
――高橋選手が日本代表に選出されるようになってから、今回のように負けた経験はそれほどなかったと思います。
「今まで勝ってきた経験があるからこそ、勝つ時のチームの仕上がり具合や雰囲気を経験として感じ取ってきていました。自分はネーションズリーグ(VNL)千葉ラウンドから合流しましたが、試合をしながら成長して、もちろんVNLでも勝ちにこだわっていましたけど、世界選手権で“勝つマインド”になると思っていた。でも実際は壮行試合を終えても変わらず、これで勝てるのか? と感じていました」
――具体的に「不安」に感じたのはどんなことだったのでしょうか。

