壁を感じた1,2年目から飛躍するために

　ルーキーイヤーの2019年は広島戦で初登板、初勝利を挙げたが、プロの高い壁も感じた。2年目の昨季は右ひじのケガの影響もあり、登板5試合未勝利に終わった。飛躍の3年目へ、先発ローテーション入りを勝ち取るための課題は「打者との勝負」だと言う。

「いい球を投げれば必ず抑えられるわけでもないし、ど真ん中に投げても打者が力んで打ち損じることもある。ピッチングについては、いい球がいつでも投げられる状態まで作っておくことは当然ですけれど、試合では打者がどういう反応をするかで自分でも配球を考えながらやっていきたい。調子が悪い時に抑えるのがローテーションピッチャーだと思う。計算できる方がチーム的にも助かるし、中継ぎにも迷惑かけない。調子が悪くても6回2失点くらいでまとめられるくらいになれれば」

後輩が入ってきたときに質問されるようなエースに

　先輩投手の野球観や投球理論に触れるうちに、自身の理想像がはっきりしてきた。

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「目指すのは背中で引っ張っていけるピッチャーです。口でいうのは簡単ですけど、行動で示すのは簡単じゃない。宮西さんの全球ストレートのことだって、いくら口で言っても、ピンチになったら点を取られたくないから、やっぱりスライダー投げよう、とか思っちゃいますよね。そこで真っすぐで全部いけるんですから！　僕も後輩が入ってきたときに質問されるような、周りから信頼されるエースになりたい」

　有原が抜けた今季、日本ハムの先発布陣は上沢以外は不確定な状況だ。コロナ禍で昨季8勝のバーヘイゲンら外国人投手も来日の見込みが立っておらず、吉田が開幕ローテーションに滑り込む可能性は十分にある。

「今は野球が楽しい。キャッチボールしているだけでも色々試しているし、キャンプ中は無駄に過ごしている時間がないです」

　ブレイクを期すプロ3年目へ、吉田の心はポジティブな明るさに満ちている。