＜J1降格4チームはどうなる？＞元日本代表3人が徹底予想「昇格組の徳島、福岡以外で危険な“2クラブ”は…」

福田正博「新監督が“間に合わない”徳島のハンデ」

■福田正博（元日本代表FW）

　降格予想：
　サガン鳥栖、湘南ベルマーレ、徳島ヴォルティス、アビスパ福岡

　まず徳島は前任のリカルド・ロドリゲス監督が攻守にバランスの優れたチームを作り、昇格を果たしたものの、その監督が浦和に引き抜かれてしまった。新指揮官のダニエル・ポヤトス監督はR・ロドリゲス氏と同じスペイン人とはいえ、日本でチームを率いるのが初めてというだけでなく、新型コロナ感染拡大による外国人の新規入国規制で、来日がシーズン開幕に間に合わない状況というのは苦しい。チームはJ2優勝で自信を得たとはいえ、このハンデは小さくないと思う。

　もう1つの昇格組、福岡は昨季J2で42試合29失点と絶対的な守備力が売りだった。ただ、過去にJ2を堅守で勝ち上がってきたクラブがそうだったように、J1でその守備力をキープするのは困難だろう。攻撃力アップのためにC大阪から昨季9ゴールを挙げたブルーノ・メンデスらを獲得するなど的確な補強は行っているが、今季は下位4クラブが降格になることを考えても昇格組にとってハードルは高そうだ。

湘南、鳥栖、大分以外に気になるのは……

　また昨季、下位に沈んだクラブのなかでは湘南（最下位）、鳥栖（13位）はかなり選手を抜かれてしまい苦戦を免れそうにない。

　湘南は、中盤の主軸だった齊藤未月（→ルビン・カザン／ロシア）、金子大毅（→浦和）、松田天馬（→京都）らがチームを離れ、前線にウェリントンとウェリントン・ジュニオールという外国人選手を加えたものの、戦力ダウンは否めない。

　鳥栖は昨季、若い選手を積極的に起用し、全員がハードワークするサッカーで健闘したが、主力だった原川力（→C大阪）、原輝綺（→清水）、金森健志（→福岡）らがチームを去った。金明輝監督の目指すサッカーは、ハードワークによる組織だった前線からの守備がベースにある。得点力を期待してアフリカ人のアタッカー、ケニア出身のドゥンガとナイジェリア出身のオフォエドゥらを獲得してはいるが、能力が高くてもチーム戦術に馴染むのかは疑問なところ。

　昨季11位の大分も片野坂知宏監督の目指すポゼッションサッカーが浸透しているとはいえ、田中達也（→浦和）ら数人の主力が抜けてしまい戦力的には残留争いに巻き込まれても不思議はない。

　そして、降格チームには毎年「えっ！」と驚くチームが入っているもの。そういう意味で、気になるのはC大阪。昨季は4位と躍進したが、攻守にしっかりしたバランスを求めるロティーナ前監督と多少バランスを崩してでも攻撃的姿勢を見せるレヴィー・クルピ監督のサッカーはあまりに対照的ともいえ、守備面では木本恭生（→名古屋）、マテイ・ヨニッチ（→上海申花／中国）の主力2人も抜けた。クルピ監督の戦術はハマれば魅力的だが、ハマらなかったら大崩れもあるかもしれない。　

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