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駒大エース田澤廉は【箱根駅伝区間7位】をどう分析する? 「学生相手に負けない選手になる」と意気込むワケ
text by
加藤康博Yasuhiro Kato
photograph byNaoki Morita/AFLO SPORT
posted2021/02/23 11:02
駒大新主将となった田澤は昨年の日本選手権10000m8位という見事な成績を残しながら、先を見つめている
相澤らにできるだけ近づかないといけない
では新年度はどこに目標を置くのか。師弟は「27分38秒31の日本人学生記録の更新」と口をそろえる。今のベストから約8秒。しかし先の日本選手権前から「27分30秒」を視野に入れた練習を行っており、その継続で辿りつける手ごたえがあるという。5月3日に開催される日本選手権がターゲット。前回のようにオープン参加の海外勢がいるかどうかなど条件にもよるがここで突破を目指す。
大八木監督は言葉を続ける。
「たしかに相澤選手など実業団のトップクラスとまだ力の差があることは事実です。ただ今年、そこにできるだけ近づかないといけません。日本選手権ではタイムの更新を狙い、順位も前回以上を狙います」
加えて田澤は安定感が備わってこその強さという考えがある。
「1回速いだけでは意味がない。常にレベルの高い走りができてこそ本当の強さだと思うんです。10000mで27分46秒まで来たので、これからはどんなレースでもそのレベルを安定して出すのが最低条件。そのうえでさらに上を狙いたいと考えています」
田澤が見据えるのは実業団トップの背中であり、未来の世界挑戦だ。大学生相手に負けるわけにはいかない。学生の試合で強さを見せるシーズンにしたいとも考えている。
「今年は留学生に勝つことも目標です。実は目標って大学生の間は変わらないような気がしています。学生相手に負けない選手になり、そして実業団のトップ選手に少しでも追いつくことだと思いますので」
大八木監督との二人三脚で長期的な課題に取り組みつつ、短期的にも結果を求める。今季の田澤はどのように進化し、そしてどんな強さを見せるだろうか。トラックシーズンの開幕まであと少しだ。