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駒大エース田澤廉は【箱根駅伝区間7位】をどう分析する? 「学生相手に負けない選手になる」と意気込むワケ

posted2021/02/23 11:02

 
駒大エース田澤廉は【箱根駅伝区間7位】をどう分析する? 「学生相手に負けない選手になる」と意気込むワケ<Number Web> photograph by Naoki Morita/AFLO SPORT

駒大新主将となった田澤は昨年の日本選手権10000m8位という見事な成績を残しながら、先を見つめている

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加藤康博

加藤康博Yasuhiro Kato

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 昨年12月の日本選手権10000mでは日本人学生歴代4位となる27分46秒09で8位入賞。1月の箱根駅伝でチームは総合優勝も成し遂げた。田澤廉(駒澤大2年)にとって結果を手にしたこの冬だったが、同時に今の己の力と立ち位置を明確に確認できたことも収穫だったのではないだろうか。

「日本選手権では日本記録ペースで進むと分かっていましたので、どこまで食らい付けるかがテーマでした。後半に腰が痛くなってしまい、7000mくらいで限界になりましたが、そこまではいい位置にいられたので自信になりました。体幹の弱さという自分の課題も明確に分かりましたし、何より日本記録が出るレースで実業団の先輩たちと競いあえて楽しかったです」

箱根駅伝の区間7位の走りに大八木監督は

 ただ箱根駅伝の話となると喜色満面とはいかない。チームは優勝したが個人成績は2区区間7位。留学生だけではなく日本人にも敗れた。

「日本選手権後、20kmを走る状態に合わせきれず、体調は6割から7割くらいでした。その不安もありましたし、自分はあまり上りが得意じゃないんです。結果的に攻め切れないレースになってしまいました」

 タスキを受けた時点で2秒前に東京国際大のY・ヴィンセントがいたが、その背中を追わないだけでなく、かなり慎重な入り方を見せた。ちなみに1年前、初めて箱根を走った3区の時も同様だった。駒澤大の闘将、大八木弘明監督はそこに注文を付ける。

「駅伝では最後まで持たせたいという気持ちが出るのでしょう。特に今回の2区はラスト3kmに上りがありますので、余裕を残そうとしたのだと思います。エースですから無難にまとめる必要はない。もっと前半から気持ちの強さを出して欲しかったです」

 田澤も「本当はヴィンセント選手についていきたかった」という。しかし状態が良くなく、かつタスキをもらった位置も先頭と47秒差の15位。後ろの区間を走る選手を信じ、確実に順位を上げる選択をした。冷静な判断、そして中盤に見せた独走力で他大学のエースのリズムを乱した点などは評価できるものの、世界を目指す学生長距離界のエースである彼に対し、今回の走りで賛辞を贈るのはやはり失礼だろう。もちろん田澤自身も納得していない。ただその言葉は強気だ。

「負けることは誰だってある。結果に一喜一憂せずに、上を目指し続けるのが大事だと思っています。ただ1年後、もし同じ区間を走ればリベンジはしますよ、必ず」

【次ページ】 「上を目指す」田澤が大学3年目で取り組むこと

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