箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
駒大エース田澤廉は【箱根駅伝区間7位】をどう分析する? 「学生相手に負けない選手になる」と意気込むワケ
text by
加藤康博Yasuhiro Kato
photograph byNaoki Morita/AFLO SPORT
posted2021/02/23 11:02
駒大新主将となった田澤は昨年の日本選手権10000m8位という見事な成績を残しながら、先を見つめている
「上を目指す」田澤が大学3年目で取り組むこと
間もなく大学3年目を迎える。駅伝対策は夏以降で計画されており、そこまではトラックに注力する。冬に見えた課題の中で田澤が特に意識を置くのが筋力面の強化だ。日本選手権終盤で田澤を襲った腰の痛みはその弱さゆえであり、「上を目指す」以上、真っ先に取り組まなければならない部分である。
「レース後半にフォームがブレない筋力をつけることが今の自分に一番必要だと思っています。体のコアが弱くて、疲れると前傾姿勢になってしまうんです。体幹のトレーニングはこれまでも行っていましたが、日本選手権のようなハイペースに対応するにはまだ足りないので、これまで以上に本格的に強化しないといけませんね。もちろんすぐに走りが変わるとは思っていませんので、先を見据え、長期的な計画で取り組むつもりです」
大八木監督「大切なのは卒業後に花開くこと」
先の日本選手権では相澤晃(旭化成)が日本記録を樹立して東京五輪代表の座を決め、2位の伊藤達彦(Honda)、3位の田村和希(住友電工)も従来の日本記録を上回った。その姿に大きな刺激を受けたものの、「あの3人との差は簡単には埋まると思っていません。勝負できるのは実業団に進んでからかなと思います」との考えも示す。トラックで世界を目指すことがこの20歳にとっての目標ではあるが、焦りはない。現時点でスピード強化のトレーニングも質、量の両方とも追い込みすぎないところで留めており、こちらも長期計画で進行中だ。これは大八木監督の方針でもある。
「今の体で練習をやり過ぎると故障する可能性も高いですし、体の成長を見て、段階を踏みながら、練習の強度を高めていくようにしています。大切なのは卒業後に花開くことですから」