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角居師最後のGIレースに思い出すカネヒキリとの名タッグ 「終わった」名馬を復活させた伯楽の手腕とは
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2021/02/19 17:02
06年カネヒキリのフェブラリーステークス。角居師のGIラストレースは今年の同じレースになる
ワイドファラオと臨む最後のGIレース
しかし、結果は9着。伯楽をしても怪我で長らく休んでいた6歳馬を復活させるのはさすがに厳しいかと誰もが思ったことだろう。
ところが角居調教師はまたしても世間をアッと言わせる。続いて出走したジャパンCダートで、ゴール前競り合った末、アタマ差をつけ優勝。カネヒキリはなんと05年以来、3年ぶりにJRA賞最優秀ダート馬の座に返り咲いたのである。
さて、そんな名調教師だが、実家の都合により、この2月に厩舎を解散する事が決まっている。定年まで14年を残しながらあと僅か2週の開催をもっての早い幕引き。当然、競馬界の各方面から残念がる声が広がっているが、本人の意思は固く、もはや待った無しの状況となってしまった。
ということで、冒頭に記したワイドファラオで臨むフェブラリーS(GI)が、角居調教師にとって最後の大舞台への挑戦となる。メンバーを見渡したところ、同馬はあくまでもダークホースの1頭となりそうだ。しかし、過去にも幾度となく私たち競馬ファンを驚かせる結果を残してきた調教師である。ここでまた皆をビックリさせる結末を用意しているかもしれない。注目しつつ、平成から令和を駆け抜けた偉大なる調教師の最後のGIを見守りたい。