酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
再起を期す東大卒・宮台康平&川端慎吾に元気な嶋基宏 池山監督が語る無観客の寂しさ【ヤクルト二軍キャンプ】
posted2021/02/02 17:35
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kou Hiroo
2月になると筆者はキャンプ地をほぼくまなく回っている。特に二軍キャンプは観客こそ少ないものの、いろいろ楽しいものではある。果たして、新型コロナ禍の今年はどうなのか? いくつかの球団の二軍キャンプのレポートをしたい。
事前申請の段階で各球団、取材日直前のPCR検査を求めていた。また細かな取材ルールの書類を送信してきた球団もあった。
2月1日、初日は宮崎県西都市のヤクルト二軍キャンプである。受付で応対してくれたのは、去年まで中継ぎで投げていた中澤雅人マネージャーだ。こういう出会いも魅力ではある。1年目ということで表情こそやや硬いが、社会人野球出身だから名刺交換はスムースだ。
以前訪れた時には西都原運動公園野球場は、ずいぶん古い球場だったが、今年の春季キャンプに合わせて観客席を改装し、外野の芝生も張り替えていた。小ぶりながらも美しい球場に生まれ変わったのだが、残念なことにお客はいない。
今年は、事前申請したカメラマンを除き、取材陣もグラウンドレベルに立ち入ることはできない。観客席からキャンプを見ることになる。声をかけてコメントを取ることもできない。
池山監督がお神酒を撒いていた
練習開始前に、グラウンドに池山隆寛二軍監督が現れた。
初日に当たりグラウンドにお神酒を撒き、清めの塩を振るのだ。マウンドに、各ベースに、池山監督は一升瓶の清酒を入念に撒いていた。「選手が怪我をしないように」「頑張れるように」、そして今年はそれに加えて「コロナに感染しないように」だろうか? 切実な思いがあると思う。
キャンプ初日はユニフォーム姿の写真撮影があるから、少し始動が遅れがちだ。球場に隣接した陸上競技場でストレッチ、アップ、ランニング。
宮崎県は南国と言われるが、寒いときは寒い。吹雪の中でのキャンプもあるが、この日は最高気温20度、天候に恵まれ、選手の表情も緩んでいる。
まさにこの瞬間にプロとして第一歩を踏み出す選手がいる。昨年のドラフトで入団した選手たちだ。