酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
再起を期す東大卒・宮台康平&川端慎吾に元気な嶋基宏 池山監督が語る無観客の寂しさ【ヤクルト二軍キャンプ】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2021/02/02 17:35
ヤクルトの二軍キャンプ、36歳の嶋基宏が元気いっぱいの声を出していた
今年はドラ1の慶応大の木澤尚文、2位の東北福祉大の山野太一は一軍始動だから、新人の一番上は3位、星稜高校の捕手、内山壮真になる。背番号は「33」。いい番号をもらっている。172cmとひときわ小さいが、実家で体を動かしてきたのだろう。先輩捕手に交じって、動きはきびきびとしている。
春季キャンプがゆっくりと進行するワケ
春季キャンプはゆっくり進行する。特に宮崎では気温が低い中で急に運動すると故障のリスクが高まる。インターバルを十分に取るのだ。
野手組はグラウンドに移動して、キャッチボール、ペッパー。ボールを手にすると選手は急に元気になる。当たり前の話だが、野球が好きなのだ。
「いいね! 気品あふれる守備だね!」
ベースランニングを経て、内野ノック。この日は捕手4人が一組になって、内野ノックを受けた。ひときわ大きな声を上げてノックを受けていたのが、嶋基宏。今年は二軍スタート。捕手組の先頭に立って、ゴロを取っている。
今年は元の相棒の田中将大がNPBに復帰した。嶋はどんな気持ちなのか、聞いてみたいが、声をかけることはかなわない。
「いいね! 気品あふれる守備だね!」
嶋の声に内野陣は沸く。一緒に守っていた新人の内山は「プロってこうなんだ」と思ったに違いない。
東大卒トライアウト経由の宮台がブルペン入り
ブルペンではいい音が響いている。始動は早い。今年は取材陣はブルペンに入ることもできない。横の金網越しに投手を見ることになる。
昨年日本ハムを自由契約になり、トライアウトを経てヤクルト入団が決まった宮台康平が投げている。恩師である東大の浜田一志前監督は宮台について「天が与えたもうた才能」と言った。故障さえなければ「東大卒」の肩書抜きにして、一線級の活躍ができた投手といわれる。
まなじり決して投げる宮台は、宮崎の地から沖縄の一軍首脳陣にアピールしているのだろう。