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【結婚後初実戦へ】31歳になった錦織圭“コロナ軟禁2週間”に何してた? 「意外とぼーっとしてる時間も…」
posted2021/02/01 17:00
text by
長谷部良太Ryota Hasebe
photograph by
Hiromasa Mano
コートで練習するだけでこれほどうれしかったことは、久しくなかったのではないか。約2週間もホテルの部屋から文字通り「一歩も」出られず、窓さえも開かないという厳しすぎる“軟禁生活”が明けてから、錦織圭が初めてのコート練習に臨んだ。
青空の下での打ち合い。動くたびにコートの上でキュッと音を立てるシューズ。風の匂い。疲労感。全てが久しぶりに味わう「日常」だった。1月30日、公式アプリに3枚の写真と1本の動画を投稿した。写真の1枚には、メッセージが添えられていた。
「今日から外での練習を開始しました。ATP CUPまで残り3日です。不安の残る調整期間にはなりますが試合に向けて最善の準備をしていきます」
英語で「あと数日調整できるのはラッキー」
その下に書かれた英文では、よりフランクに気持ちを表現していた。日本語訳を記す。
「ようやく外に出て練習できる!! 練習相手のマルコスとポシュピに感謝。2週間の後で新鮮な空気を感じられたのはすごくよかった。あと数日、調整できるのはラッキー」
「マルコス」は世界ランキング73位のマルコス・ギロン(米国)、「ポシュピ」は世界61位のバセク・ポスピシル(カナダ)のこと。「WOWOWテニスワールド」のオンライン配信に出演した日本テニス協会の高田充男子代表ヘッドコーチによると、30日の午前中はギロンと、午後はポスピシルと打ち合ったという。高田コーチは練習を見た印象をこう語っていた。
「相手も14日間の隔離をしていたけど、相手の方が少しバテるのが早かった。普通はああいう風になるんだろうなという感じはしました。それに比べたら、圭は元気な感じがしました」
うれしい報告だった。錦織は隔離中、さまざまな制限がある中でも工夫しながらトレーニングする様子を動画で報告していた。その努力が実り、本人が心配するほど体力は落ちていないのかもしれない。
なぜ錦織はこんな厳しい隔離生活を強いられたのか
なぜ錦織は、これほど厳しい隔離生活を強いられたのか。