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【結婚後初実戦へ】31歳になった錦織圭“コロナ軟禁2週間”に何してた? 「意外とぼーっとしてる時間も…」
text by
長谷部良太Ryota Hasebe
photograph byHiromasa Mano
posted2021/02/01 17:00
隔離期間を終えてようやく練習ができるようになった錦織圭
錦織にとって、この大会は単なる“今季初戦”ではない。昨年9月30日の全仏オープン2回戦で敗れて以来、約4カ月ぶりの復帰戦なのだ。全仏で痛めた右肩は思った以上に回復に時間がかかり、その後の大会は欠場を繰り返した。
「体が不安なのはあります。もしかしたら……」
1月28日の動画では、不安な気持ちを正直に明かしている。
「体が不安なのはあります。けがして休んでいるわけではないので、動けている分マシだと思うんですけど。ボールを打っていないので、他の選手と比べたら1、2週間経っても、もしかしたら調子が戻ってこないかもしれないので、難しいですね。やってみないと、どうなるか分からない」
明るい兆しはある。メルボルン入り前には、拠点があるフロリダでコーチのマックス・ミルヌイと「しっかり練習した」と錦織。その後はカリフォルニアにある、同じくコーチのマイケル・チャンの自宅コートで汗を流した。「かなり調子も上がってきて、肩の調子も良くなってきている」と話していた。
世界4位→現在は41位、結婚を機に再出発
かつて4位まで上げた世界ランキングは今、41位まで落としている。
その要因の1つは、けがの多さ。身長178センチ、体重73キロとトップ選手の中では小柄な体をフル稼働させるプレースタイルの反動とも言える。
2月3日のロシア戦では、昨年のATPファイナルズを初めて制した世界4位のダニール・メドベージェフと、翌日のアルゼンチン戦では世界9位のディエゴ・シュワルツマンとぶつかる。今の錦織にとっては厳しい戦いになりそうだが、2月8日開幕の全豪に向け、少しでも試合勘を取り戻しておきたいところだ。
昨年12月に結婚し、人生の大きな節目を迎えた31歳。「再出発を期すシーズン」と位置付ける2021年の戦いが、いよいよ幕を開ける。