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伝統業を営む両親の背中を見て…日本ハム4位細川凌平の「覚悟」がすごい! 小学生で“高卒プロ”を決めた理由
posted2021/01/30 11:02
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Noriko Yonemushi
智弁和歌山高校から北海道日本ハムにドラフト4位で入団した細川凌平は、今年1月、千葉県鎌ケ谷でプロ生活をスタートさせた。細川は、居るべくしてそこに居る。
細川が「高卒でプロ入り」にこだわるようになったのは、小学生の頃だった。そう考えたのは、その時点でもうプロ野球選手のその先の人生を見据えていたからだ。それは、家業を継ぐことだった。
細川の実家は、京都市嵐山で保津川下りの船に食事や飲み物などを販売する水上売店船を営んでいる。100年以上の伝統がある仕事で、細川の父・佳介さんは3代目。創業時とは法律が変わっているため、今から新規参入はできない仕事だという。そのため細川家がやめてしまうと、この職業そのものがなくなってしまう。
だからといって、両親が長男の凌平に「継いでほしい」と言ったことはない。それでも、働く両親の背中を見て、自然と細川の心は決まっていた。
と同時に、幼い頃から野球が大好きで、テレビで野球中継を見ながら選手のモノマネをしたり、投球に合わせてスイングしたり、それが日常だった細川にとって、プロ野球選手を夢見ることも当然のことだった。
小学生時代から「高卒でプロ」
「保育園の頃から将来の夢はずっと“プロ野球選手”で、小学校で『高卒でプロに行きたい』と思うようになりました。自分の家は家業があって、(プロで)勝負できる環境にあったし、大学に行くメリットを自分はあまり感じなかったので。(家業が)学歴はあまり関係ない仕事ですから。だから高卒ですぐに、自分が戦いたいところで勝負したかったんです」
小学生の頃にそこまで考えていたのかと驚かされる。