野球クロスロードBACK NUMBER
松井裕樹「田中さんは超一流なのに、教えるのもうまい」 チーム田中将大+岸、涌井、早川…楽天は常勝軍団になれるか?
posted2021/01/30 11:03
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
JIJI PRESS
あの大エースが日本に帰ってくる。
クリムゾンレッドのユニフォームをまとい、杜の都のマウンドで、また吼える。
田中将大が、ついに決断を下した。
ADVERTISEMENT
昨年のシーズン終了後にニューヨーク・ヤンキースをFAとなって以降、取り巻く環境は騒がしかった。残留かメジャーリーグの他球団への移籍か。はたまた日本球界復帰か? 様々な情報が飛び交い、錯綜するなか、1月28日、楽天への凱旋が正式に発表された。
2013年に24勝無敗という、現代プロ野球において神聖不可侵の大偉業を打ち立て、球団史上初の日本一のシンボルとなった絶対エース。翌年に海を渡っても、楽天への愛着は田中の言葉からも十分に伝わっていた。
「毎試合、楽天は気にしています。勝てば嬉しいですし、負けて悔しいのはファンの方と一緒。応援する気持ちは今でも変わりません」
ヤンキースに移籍後も、毎年1月には仙台の球団施設で自主トレを行っていた。囲み取材などで楽天について聞かれれば、このような趣旨のコメントを必ず残していた。
則本昂大「自主トレでお付き合いを……」
大記録や輝ける記憶。田中を語る上で欠かせない「伝説」は枚挙に暇がない。
田中が残したものは他にもある。ヤンキース移籍後も楽天に息づいているもの。
それは人であり、遺伝子だ。
13年、ルーキーながら田中とともにローテーション投手として屋台骨を支えた則本昂大は、しみじみと語っていたことがあった。
「1年目は正直、何もわからない状況のなかで投げていたんですけど、結果を残せたのは田中さんがいてくれたからで。田中さんの姿を見て、僕自身、成長できましたね」