前線でタメを作るビルバオのウィリアムス©Daisuke Nakashima

　ビルバオの前線を見てみると、ウィリアムスやラウール・ガルシアは、しっかりボールをキープしていました。

　一方の久保は、しっかり前を向いてボールを持てるシーンが少なかったように思いますし、サイドからカットインする場面もあまり撮影できませんでした。写真で捉えた状況でも、しっかりビルバオの“2枚目”がカバーに入っているのが分かります。とはいえこの2枚の間を割って、クロスまで持っていったのは個の能力の高さ、と言えるのでしょう。

2枚のマーカーと対峙する久保©Daisuke Nakashima

　ちなみに久保のドリブルについて……水沼貴史さんの解説記事を見てから、ドリブル中に本当にルックアップしているシーンが多いことに気づきました。その後も自陣からパスを回してビルバオ包囲網を突破するかと思いましたが、ファウルで止められる場面もありました。

　試合は後半早々、ムニアインのFKからヘタフェがゴールを奪われました。この試合では1点目から、センタリングが入る際に相手がフリーになってしまう場面が多かったです。

ムニアインの絶妙なキックから生まれたビルバオの決勝点©Daisuke Nakashima

　なお冒頭の写真は、ラウール・ガルシアの2点目の場面（ビルバオの3点目）です。ムニアインのドリブルにマークが集まったところで、フリーになったバレンシアガがクロス。これにラウール・ガルシアが頭で合わせました。

　この試合では、アスレティック・ビルバオひと筋を貫くムニアインの笑顔がたくさん撮れました。

　ゴールした選手、クロスを上げた選手ではなく、その前の“タメ”を作ったムニアインに集まるビルバオのチームメートの様子に、その信頼度の高さを感じました。しかしムニアイン、知ってましたけど、本当にうまい……。

ククレジャのマークをモノともせず、4点目の起点となるスルーパスも©Daisuke Nakashima

　後半30分の4点目。同じくムニアインがククレジャのプレスをモノともせず、ウィリアムスにパス。そこからのクロスでビルバオが試合を決定づける追加点を奪い取りました。