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大坂なおみの写真削除、ジョコに「かっこつけの馬鹿」批判… なぜ全豪は開催前から“大炎上”なのか
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2021/01/25 17:02
練習場入りするメルボルン組の選手たち。全豪開幕前から“練習格差”が生まれている
ダニエル太郎も3便の中のひとつ、ドーハからの便に乗っていた。
予選敗退からラッキールーザーとして本戦繰り上がりが決まったダニエルは、わずか3日ほどの間に相当なメンタルの乱気流を味わったに違いないが、頻繁にSNSを更新して隔離生活を伝え、「部屋にトレーニング器具をたくさん届けてくれたので、けっこうトレーニングはできそうです。ほかにもインタビューを受けたり、忙しくしているので全然元気です!」と笑顔すら見せていた。
1200人の外国人が入ったことへの逆風
忍耐強く、ポジティブなムードに牽引されるように、政府や協会の方針を非難する類いの攻撃的な発言をした選手たちの中でも、撤回や謝罪、SNSのコメントの削除といった動きが広がった。
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厳しい入国制限のために、オーストラリア国籍を持っていながら自国に戻れずにいる人々がいる現実も、彼らを冷静にしたのかもしれない。この現状で、スポーツイベントのために1200人もの外国人が入ってきたことへの国内での逆風はおさまっていないのだ。
全豪オープン終了まではまだ1カ月もある。この先、思わぬ波乱がまだ待っていそうだが、2021年最初の世界的なスポーツのビッグイベントに挑む人間たちの姿に、世界中の目が注がれている。