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錦織圭に憧れた韓国のチョン・ヒョン。
全豪で一躍スターになるまでの道のり。
posted2018/01/25 17:00
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
AP/AFLO
錦織圭のいない全豪オープンで、アジア選手のトップとして注目されていた韓国のチョン・ヒョンが、その期待をはるかに上回る活躍で準決勝に駒を進めた。
4回戦でグランドスラム優勝12回を誇るノバク・ジョコビッチを破ってベスト8進出を決めたことで、すでに韓国テニスにおいては新たな歴史が誕生したことになる。これまでの韓国人のグランドスラム最高成績は、現在42歳のイ・ヒュンタクが2000年と2007年の全米オープンで残した16強入り。
韓国の新聞記者はこう話す。
「北朝鮮問題と仮想通貨問題で悪化する国内のムードをチョン・ヒョンが変えてくれました。そういう意味でも、錦織選手が全米オープンで決勝に進出したときよりも今の韓国のほうが熱狂しているかもしれません。テニスの伝統を持つ日本と違って、韓国には前例がまったくないですから」
アジア男子選手として、錦織以来のGS準決勝進出。
個人競技としては、今やフィギュアスケートのキム・ヨナや競泳のパク・テファンといったスターと比べられるほどのナショナルヒーローとなり、そんな中で迎えた準々決勝の相手はほとんど無名の格下選手。
本来なら膨大なプレッシャーを感じるところだったが、「重荷なんかではないです。韓国でテニスは人気がなかったのでありがたいこと」と、いつものように黙々と、力強く、ピンチを何度もしのぎながらストレートセットで勝ちきった。
アジア男子としては2016年全米オープンでの錦織以来のグランドスラム準決勝進出で、その錦織もこの全豪オープンでは過去ベスト8が最高なのだ。