オリンピックPRESSBACK NUMBER

「私はオリンピックのためにレスリングをやっている」 57kg級世界女王・川井梨紗子の苦しい胸中 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

photograph bySachiko Hotaka

posted2021/01/20 17:01

「私はオリンピックのためにレスリングをやっている」 57kg級世界女王・川井梨紗子の苦しい胸中<Number Web> photograph by Sachiko Hotaka

川井梨紗子は「オリンピックのためにレスリングをやっている」と語り、今夏を見つめている

「オリンピックを本当に大事な大会だと位置づけている」

 当初は今年2月にカザフスタンで開催されるアジア選手権に出場する予定だったが、開催は4月に延期された。それでも、アジアのトップどころが揃って参戦するこの大会に出場する意志に揺らぎはない。

 オリンピックのために川井は闘い続けているが、そもそもこの4年に一度のスポーツの祭典は本当に開催できるのか。世間の流れは少しずつ否に傾きつつある。川井は苦しい胸の内を明かす。

「確かにいまは本当に苦しい状況だと思います。もし私がスポーツをやっていなくて何も関係ない立場だったらオリンピックなんてやっている場合ではないと思っているかもしれない。でも、いまの自分は妹と一緒に出場できるオリンピックを本当に大事な大会だと位置づけている。競技をやっている以上は、その準備をするだけです」

 川井は時代とも闘っている。

関連記事

BACK 1 2 3 4
川井梨紗子
東京五輪
オリンピック・パラリンピック

格闘技の前後の記事

ページトップ