濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
武尊vs那須川天心は実現なるか 「自分より強いって言われてるヤツがいるのが許せない」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2021/01/06 17:02
この5年間熱望され続けている那須川天心と武尊の試合は、果たして実現するのだろうか
那須川の「まだ何も決まってない」が現状に最も近い
この“2大決戦”をクリアしたとして、試合ができるのは早ければ夏ごろか。まだ気が早いが、どの会場で試合をするのか、そのときコロナ禍がどうなっているのかも重要だ。
どの会場であれ、1席おきの“間引き”券売ではチケットを買えないファンが大量に出るだろう。オリンピックが開催されれば、夏に大会場を抑えるのはかなり難しくなるはずだ。最終的にはルールや体重の調整も必要になってくる(那須川のベスト体重は55kg。武尊は60kgのベルトを巻いている)。
ともあれ、現状に最も近い言葉は、那須川の「まだ何も決まってない」だ。すべてはこれから。しかし実現に向けて動き出したことも間違いない。K-1でもRIZINでもRISEでもない舞台をいかに作るか。問われるのは関係者たちの手腕だ。
この対戦は誰か(どこかの団体)が傷つき、価値を下げるものであってはいけない。それは、自分だけ得をしようとしてはいけないということでもある。これまでの格闘技界はパイの奪い合い、誰かが浮けば誰かが沈むという考え方が支配的だった。しかしこの対戦に関しては“三方一両損”を全員が受け入れれば、結果として全員が得をする。これをきっかけに業界そのものに変化してほしいと、当の2人は考えているのではないか。