確かに前評判は崇徳に分がある。ただ公式戦がなかった今季だけに、予想はつきにくい。万全を期す竹内監督は、崇徳との初戦に向けて懸念材料をあえて1つ挙げた。

「やはり伝統校には勝負に臨むスイッチがある。それを表すのが坊主頭だと僕は思うんです。勝負服、戦闘モードじゃないけれど、ここ、という勝負所でチームが1つになり戦う証として、頭も整え気合を入れる。だから全国大会で崇徳がやるべきことはやってきたから『ここが勝負所だぞ』と気持ちを1つにして、坊主頭に丸めてきたらやられる可能性は高いし、逆に髪が長いままだったら、僕らにチャンスがあると思うんですよ」（竹内監督）

　互いに試練の1年を乗り越え、ようやくたどり着いた春高。自主性を知った崇徳の一体感が、再び「坊主頭」という形で現れるのか。初戦屈指の好カード、勝敗の行方もさることながら、もう1つの関心はそこにある。そんな楽しみを抱きながら決戦の時を迎えたい。