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那須川天心VS武尊、切り裂かれた“夢の黄金カード”が6月にも? 「格闘技界をひとつにするために」 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byRIZIN FF Susumu Nagao

posted2021/01/01 17:07

那須川天心VS武尊、切り裂かれた“夢の黄金カード”が6月にも? 「格闘技界をひとつにするために」<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

那須川天心(右)はクマンドーイ戦に勝利後、武尊と言葉を交わした

実現するならば年内のどこかで

 かつてキックボクシング界では似たようなことが起きたことがある。70年代、“真空飛びヒザ蹴り”の沢村忠とムエタイの第一線と死闘を繰り広げていた藤原敏男の直接対決の機運が高まったのだ。“人気の沢村-実力の藤原”という構図だったが、結局両者がリング上で対峙することはなかった。

 マッチメークは成立しながら、幻に終わった夢の対決もある。魔裟斗の引退試合の対戦相手として一度は直接対決が待ち望まれていたジョルジオ・ペトロシアンに決定したが、ペトロシアンのケガによって試合は流れた。あの時、魔裟斗VSペトロシアンが実現していたら、どんな新しいドラマが生まれていただろうか。

 那須川が「本当にまだ何も決まっていない」と語っている通り、令和最初の夢の対決はまだ正式決定したわけではない。ただ、RIZIN大会終了後の会見で武尊は「来年(2021年)しかない」と発言しているので、実現するならば年内のどこかでと考えるのが妥当だろう。

 すでに両者とも次戦は決定済み。武尊は1月24日の『K’FESTA.4』でレオナ・ペタスとの一戦が待ち受けている。一方、那須川の方は2月28日の『RISE ELDORADO 2021』で志朗との一戦が組まれている。直接対決のタイミングは少なくともそれから数カ月の調整期間を経てからということになるか。

「K-1王者として、RISEのチャンピオンとして」

 闘いの舞台は那須川のホームであるRISEでもなければ、武尊のそれであるK-1でもない。その理由について、武尊は中立のリングが条件であることを強調した。

「僕はK-1王者として、天心選手はRISEのチャンピオンとして、格闘技界をひとつにするために試合をしないといけないと思っている」

 さらに、武尊はその中立のリングが用意できていることを示唆した。

「そういう実現の仕方でないと、この試合はやる意味がない」

 では具体的に中立的なリングはどこかということを考えると、現時点ではRIZIN以外にイメージすることはできない。しかも、両者が接近する場面を作り、会見の場を設けたのもこのプロモーションである。果たして大会後の会見でRIZINの榊原信行CEOはK-1の関係者を交え、実現に向けての話し合いにつくところまで来ていることを明かした。

 さらに今回のムーブメントが武尊の一歩踏み出した勇気から始まったことを打ち明け、それを歓迎した。

「格闘界の新しいアクションのキックオフになる」

【次ページ】 那須川と武尊に残された時間は少ない

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