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瀬古利彦&渡辺康幸の秘話 “山の神”以前から柏原竜二に注目…「早スポ」の箱根駅伝愛が深い!
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph bySatoshi Shigeno
posted2021/01/02 06:02
2020年度の早稲田スポーツ「箱根駅伝号」と楽天ドラ1の早川が1面の「早慶野球(秋)号」。記者の熱いハートがこもっている
2003年から早大のコーチに就任し、その記念としてインタビューしているのだが、なぜかそこまで大きな扱いじゃない。誰だこんなもったいないことしてる当時の編集長、と思ったら自分である。おお……。
そんな話は置いといて、インタビューを読んでみると「半年で結果を出すのは難しい」と長期的なスパンで強化を見据えていた点、そして「僕は厳しく言う方ではないし、悪い時は言わない。当人が一番よくわかっているから」と、指導スタイルを明かしている。悲願の箱根総合優勝を成し遂げたのがその8年後の2011年だったことを思うと、とても感慨深くなる。
現役時代は2年連続で1面のスーパースター
その渡辺、大学時代は1990年代中盤の箱根駅伝で脚光を浴びたスーパースターだった。もちろん早スポも流れに乗っており、3年、4年時と2年連続で1面で渡辺を特集している。当時は山梨学院大学の留学生ステファン・マヤカとの「花の2区」での一騎打ちが大注目されていたしな、と当時のフィーバーぶりを思い出した。
2年連続で同じアスリートを1面に載せることについて「色んな選手を知ってもらいたいし、どうなんだろね……」との声が挙がるのは“早スポあるある”と思うが(野球で言えば、あの青木宣親が一度も1面になれなかったほどの激戦である)、それほどまでに当時の渡辺の存在感は大きかったのだろう。
もちろん瀬古利彦もたびたび登場
早稲田のレジェンドと言えば、もう1人いる。中継の解説でお馴染みの瀬古利彦である。現役時代の縮刷版は残念ながら手元になかったのだが、その知名度の高さから「やっぱり取材したいよね」と思う学生記者が多いのか、たびたび紙面に登場している。
たとえば2008年1月2日付の紙面で早スポは瀬古にインタビューを敢行している。4年間ずっと花の2区を任されるとともに、学生時代からマラソンに挑戦していた瀬古は当時どう箱根を捉えていたのか、このようなコメントが残っている。