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FIFAのベストイレブンに選出! “いま一番トップに近い”熊谷紗希が語る「東京五輪で戦うことの価値」 

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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photograph by熊谷選手提供

posted2020/12/30 06:00

FIFAのベストイレブンに選出! “いま一番トップに近い”熊谷紗希が語る「東京五輪で戦うことの価値」<Number Web> photograph by 熊谷選手提供

UEFAの選ぶCLベストメンバー、決勝での得点はCLベストゴールの2位などに選ばれている熊谷紗希選手

五輪があるのに、チームでの活動なし

 熊谷はフランスで戦うサッカー選手であると同時に、なでしこジャパン唯一の欧州組であり、本来は東京五輪の舞台に立つべき選手の1人だった。だが、コロナ禍は欧州での日常も4年に一度の大イベントも狂わせた。

 振り返れば2月下旬から3月上旬、なでしこジャパンの一員としてアメリカに遠征、SheBelieves Cupを戦った。そして、熊谷がリヨンに戻り数日経った3月12日にリーグアン、ドゥなどとともに女子リーグの一時的な中断“だけ”が決まる。この時点ではリーグ戦が完全に中止になるのか、再開が見込めるのかはまだ決断されていなかったため、チームでの活動なしに東京五輪を目指さなくてはいけなくなったのだ。

「活動はないけれど、オリンピックの開催はまだ未定だったので、『一度日本に帰らせてくれ』ってクラブに頼んでたんです。日本に帰れば、もう少し動く場所もあるし。でも、その後8週間もロックダウンされると思ってなかったから(5月11日に解除)クラブもそこで『イエス』って言ってくれなくて……何度も監督とも話し合いました」

 東京五輪延期が決まったのはフランスのロックダウンから1週間弱が経過した24日。結局熊谷は、帰国することなくその後のロックダウン期間をフランスで過ごした。

「結局、五輪の延期が決まって、この(コロナの)状況だったら延期も仕方ないよなって。そこからは焦りもなくなりました」

 五輪の1年延期は決まった。だが、今度はフランスのリーグが再開できるのか、打ち切りされるのか、何もわからないまま自宅でトレーニングする日々が続く。

【次ページ】 「母国でオリンピックがあるなんて一生に一度あるかないか」

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