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【衝撃の降格】キングカズ、遠藤保仁、松井大輔、パクチソン…「2000年の京都サンガ」を知っていますか?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/12/17 11:01
キャプテンマークを巻いてチームの先頭に立った“キング・カズ”の後方には、のちにワールドカッププレーヤーとなる選手が3人もいた
メンバーはすごいのに“勝てない”
元日本代表監督の加茂周に率いられた00年の京都は、第1ステージを2勝1分12敗の最下位で終えた。12敗のうち7敗までが、1点差負けだった。下位に沈むチームの典型的な負けパターンである。
5節の名古屋グランパス戦は、83分の失点で0対1の敗戦となった。翌6節は延長後半終了間際の118分に被弾し、柏レイソルに1対2で屈した。この時点で1勝にとどまり、15位に低迷する。
続く7節は、14位の川崎フロンターレとの下位対決だった。前半のうちに2失点し、66分に松井のプロ初ゴールで1点差に詰め寄るものの、87分にCB手島和希が2度目の警告で退場処分を受けてしまう。1対2で押し切られた。
川崎F戦後の加茂監督は「いつものことながら、攻め込むけれど点が取れない。残念ながら決め手がなく、勝ちにつながっていない」と嘆いた。翌8節は清水エスパルスに、10節ではアビスパ福岡に、延長Vゴールで屈した。
キャプテンとしてチームを牽引するカズは、「最後の最後で負けるこういう試合が続くと、なかなか抜け出せないのは経験から分かっている。どこかで流れを変えないと」と危機感をにじませていたが、14節でもジュビロ磐田に延長Vゴールで敗れ、浮上のきっかけをつかめないまま第1ステージが終わってしまった。加茂監督は解任され、ヘッドコーチのゲルト・エンゲルスにチームの再建が託された。
望月重良と平野孝を獲得するも
ドイツ人指揮官のもとで挑んだ第2ステージは、立ち直りの兆しを見せる。1勝2敗で迎えた4節では、カズの延長Vゴールで第1ステージ14位の福岡を退けた。
7節からは即戦力がピッチに立つ。7月に名古屋グランパスを解雇された望月重良と平野孝を獲得したのだ。27歳の望月はフィリップ・トルシエのもとで日本代表に選ばれており、26歳の平野は98年のフランスW杯代表である。J1残留への切り札としての補強だった。