リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
あのトラウマのせい? 過去30年で最弱バルサ、もう優勝絶望か “最後のメッシ”かもなのに…
posted2020/12/15 06:00
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
バルサがリーガ序盤の10試合を4勝4敗2分で終えた。
4勝5敗1分だった87-88シーズン以来の酷い数字であり、10戦して得た14ポイントは勝利に3ポイントが与えられるようになった95-96シーズン以降最少だ。
おかげで、まだ12月だというのに、今季の優勝はなくなったと見られている。
この時点で首位(同じく10試合を消化し26ポイントのアトレティコ)に12ポイント差を付けられたチームが最終的に王者となった例はリーガにはないからだ。98-99シーズンのバルサは第14節終了時に9ポイントまで開いた差をひっくり返して優勝しているので可能性はゼロではないけれど、非常に難しいのは間違いない。
今季はまたメッシの数字も酷い。
1試合平均1得点以上が当たり前だった彼が、10試合でわずか4得点(うち2点はPKによるもの)。フリーキックは50本以上蹴っても1度も決められず、アウェイゲームでのゴールもゼロ。一方でボールを失う回数は増えており、10月のR・マドリー戦では26回、11月のアトレティコ戦では23回、先のカディス戦では29回と記録されている。
メッシが勝つための努力をしているのは確か
そして、そんなメッシを一部のメディアは俎上に載せ、衰えについて議論し、バルサ低迷の原因であるかのように書き立てている。
彼のパフォーマンスが下降期に入っているのは確かだろう。メッシも人の子。寄る年波には勝てない。
だが、彼が勝つために努力しているのもまた確かであり、カディス戦を例に挙げると、チームのシュート総数21のうち10本を放っている。ドリブルでディフェンダーを9回かわしている(チームの総数は15)。先述のとおり何度もボールを失ったが、その多くは中盤をサポートすべくハーフライン近くまで下がった後のことである。
バルサが抱える問題は、反対に、なぜメッシはそうしなければならなかったのかを考えると見えてくる。