熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
久保建英の同世代ロドリゴが“レアルの救世主”に ビニシウスも含めたライバル3人の“力関係”は…
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images/Daisuke Nakashima
posted2020/12/12 11:03
CLで大活躍したロドリゴ。久保建英はビジャレアルでELでの起用がメーンだが、ここでとにかく結果を残したい
この2人のブラジル人選手とレアル・マドリーが保有権を持つ久保建英は年齢が近く、ポジションが被る。皆、両サイドでプレーできるが、ビニシウスは左サイドが、久保は右サイドが得意で、ロドリゴはどちらでも遜色がない。3人ともEU圏外の出身で、外国人枠を奪い合う間柄でもある。
ネイマール+ロナウジーニョみたいなビニシウス
ビニシウスは2000年7月生まれで、久保より11カ月年上。10歳で名門フラメンゴの下部組織に加わった。左利きでスピード、テクニック、パワーを生かしたトリッキーなドリブルで左サイドを切り裂き、カットインしてシュートも狙う。ネイマール(パリ・サンジェルマン)に元ブラジル代表FWロナウジーニョを加味したようなタイプだ。
2017年、U-17南米選手権で7得点をあげて大会MVPに輝いた。欧州ビッグクラブからオファーが殺到し、最終的にレアル・マドリーとバルセロナの一騎打ちとなったが、前者が移籍金4500万ユーロ(約57億円)で獲得。2017年7月に入団し、当初はカスティージャ(Bチームでリーグ3部所属)に所属したが、5試合に出場して4得点を奪って早々と"卒業"。9月末、トップチームでデビューした。
2018-19シーズンの成績は、ラ・リーガ、CL、スペイン国王杯を合わせて30試合に出場して3得点11アシスト(以下成績は『transfermarkt』に準拠)。昨季は3大会合計で37試合で5得点4アシストで、今季は12月10日時点で16試合で3得点2アシストだ。なおブラジル代表には昨年9月の強化試合に初招集され、2022年ワールドカップ(W杯)南米予選の11月の2試合にも呼ばれたが出場機会はなかった。
ロドリゴ「点取ったので、授業の欠席許して」
もう1人のロドリゴは2001年1月生まれで、久保より5カ月年上。ネイマールに憧れ、10歳でサントスの下部組織に入った。
右利きでサイドに張り、スピードとテクニックで縦へ突破してクロスを入れ、中へ切れ込んでシュートを放つ。ネイマールより3カ月若い16歳6カ月でトップチームにデビューし、17歳2カ月で初得点を挙げた。当時、夜間高校に通っていたが、試合後、ツイッターで「先生、今日は試合があって授業を欠席しましたが、点を取ったので許してください」と発信して話題になった。