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街を歩きまくる位置情報ゲームって痩せる? 「テクテクライフ」製作者いわく「ゲームというよりスポーツ」
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph bySatoshi Shigeno
posted2020/12/09 11:02
ストイックな位置情報ゲーム「テクテクライフ」。街を歩く楽しさが生まれる
――実は「テクテクライフ」にハマっていまして。体重は落ちるし、ランクも38まで行きました。
田村&麻野:おおー! 素晴らしいです。
――……いきなり自己顕示欲を出しちゃいましたが、お二方は製作者としてではなく、いちゲームプレーヤーとしてテクテクライフの楽しさを味わっていますか?
田村:もう6年やっていて、面白いのかどうか自分自身もわからなくなっちゃったときもあったんです(笑)。でもこの前、スタンプラリーでエヴァンゲリオンのコラボイベントがやっているので箱根に行ったんです。それまで妻は忙しくてあんまり動けなかったんですけど、一緒に旅行したら「これ面白いね。移動するといろいろな発見があって楽しいね」という話をずっとしていたんですよ。
麻野:多磨霊園付近に行くとすごいですよ。魔法陣みたいになっています。
田村:お墓のところ、一個一個が街区になるんですよね(笑)。
麻野:もっと言えば練馬区の北側って、埼玉県にぽつんと飛び地があるんですよ。実際にその場所に行ってきたんですけど、ここに住んでいる人たち、税金がこっちだけ高いの納得いってるのかなとか、余計なことを考えてしまいます(笑)。
こう街区について詳しく話してくれる麻野さんは「かまいたちの夜」や「トルネコの大冒険」など「不思議のダンジョン」シリーズを作ったクリエイターとして、ゲーム業界では知られた存在だ。そんな人がまさかリアルの世界で不思議のダンジョンしているだなんて……。
麻野:そもそものスタートは、私が街歩き好きだったというのがあるんですよ。実は今日、地図を持ってきたんですけど、地図であるところを行って、ここの……。
――地図、ぬ、ぬりまくってますね……。
麻野:お地蔵さんやお寺を見つけたり、行ったブロックを塗って……というのをやっていたんです。これもう5冊くらいあるんですが、ボロボロなんです(笑)。塗っていたら面白かったんですよ。僕も当初は「げんちぬり」原理主義者だったんで、「げんちぬり」以外興味なかったんです(笑)。ただ多くスタッフに言われたのが、「外出たりすることができない人、いるので……」と。あるいは交通手段があまりない人もいるし、そういう方たちのことを考えたら、“家の中でもできる要素は絶対必要だよね”っていう話はありました。実際に開発が始まって半年くらい経った段階で、やっぱり入れましょうとなったんです。