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街を歩きまくる位置情報ゲームって痩せる? 「テクテクライフ」製作者いわく「ゲームというよりスポーツ」
posted2020/12/09 11:02
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Satoshi Shigeno
「位置情報ゲーム」って実は自分が動くから、スポーツの一種なんじゃない? ゲーム製作者の人はどう考えているんだろう?
コロナウイルス禍の2020年秋、ふとそんなことを思った。
新型コロナウイルス禍は第3波に入り、「GoTo」する機会を失ってしまった。もちろん秋ごろから出かけるのは少々ハードルが高く、出かけるといえばソーシャルディスタンスを取って近所をテクテクと歩いたり走ったり、自転車に乗ったりするくらいだった。
しかしそんな生活を繰り返していたら、驚くことに痩せた。
……こう書くと怪しい宣伝に見えるかもしれない。でも2カ月間で3kg減量に成功したのはホントなのである。ダイエットにありがちな"義務感"ではなく楽しんで動く。それを実現してくれたのは、いわゆる“位置情報ゲーム”の1つである「テクテクライフ」だ。
ポケモンGO、ドラクエウォークなどがある中で
「ポケモンGO」や「ドラクエウォーク」など、スマホの位置情報を使用した位置情報ゲームは多い。その中でテクテクライフは「丸の内」、「祇園町北側」、「北六条西」などのような「街区」を通ることで塗る権利を得られ、街を“ぬり尽くしていく”という、恐ろしいほど単純かつストイックなゲームなのだ。
でも、いざやってみるとこれがまた楽しいのである。
現地を訪れる「げんちぬり」は24時間以内なら塗れるので、歩きスマホをしないで済む。また訪れた現地の隣の街区をぬれる「となりぬり」はTTP(テクテクポイント)がある限りずっとやっていられる。動いた後に帰宅して、夜にチマチマと「神田神保町 100% FINISH!」と街区を塗り尽くす達成感がたまらないのだ。それを味わいたくて、1人テクテクするという日々の結果、気づけば体重が減っていたというわけである。
テクテクライフ、その前身である「テクテクテクテク」の経緯について短めに説明する。
スタート地点は2014年頃、「Ingress」という位置情報ゲームが生まれたこと。その当時はまだポケモンGOなどが生まれる前だったが、ゲーム制作者としてはやはりセンサーが働いたという。そこから「歩くドラクエ」というイメージ像を描いて製作を始めたのだという。そこから2018年11月に生まれたテクテクテクテクは、伊集院光さんが自身のラジオでハマっていることを明かすなど、一部で大人気に。
ただいわゆる“大人の事情”によって、半年でサービス終了。その後、後継ゲームのリリースを目指すことを明言しており、このたび2020年10月にテクテクライフがリリースされたというわけだ。
前置きが長くなってしまったが、歩く、走るという行動をゲームは促進するのか――。ゲームプロデューサーの田村寛人さん、ゲームデザイナーの麻野一哉さんに「位置ゲーはスポーツ説」は成り立つのかを含めて、位置情報ゲームの楽しみ方など話を聞いた。