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街を歩きまくる位置情報ゲームって痩せる? 「テクテクライフ」製作者いわく「ゲームというよりスポーツ」 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph bySatoshi Shigeno

posted2020/12/09 11:02

街を歩きまくる位置情報ゲームって痩せる? 「テクテクライフ」製作者いわく「ゲームというよりスポーツ」<Number Web> photograph by Satoshi Shigeno

ストイックな位置情報ゲーム「テクテクライフ」。街を歩く楽しさが生まれる

――今の麻野さんのお話をうかがうと、土地を行くことを楽しんでらっしゃる方なんですね。

麻野:そうです。実際、僕は「テクテクライフ」をゲームというよりもスポーツだと思っているんです。

――え、こちらに合わせてもらってませんか……?

田村:いや、今日のインタビューに合わせての発言じゃなくて、本当にもともと言っていたんですよ、本当に。

麻野:私はこのゲームを、オリエンテーリングなどと同じタイプのものだと思っているので。だから僕はスポーツだと思っていますし、あんまり「となりぬり」には興味がないんです、いまだに(笑)。

 私自身、先ほどお見せした地図のように、とにかく歩くんですよ。これをやっていると、下手したら一日5時間くらい歩きますし、ジョギングもするので、家の近くとかはテクテクを立ち上げて走って、帰ってきてから塗って、というのをやっています。

田村:前作はRPG要素を入れていましたし、"RPGじゃないとお金にならないよ"ってみんな思ってやっていたんです。ただ今作は「ぬり」に特化して、それを便利にする機能を課金にしたんです。

 前作の時に「こういうのを入れてほしい」というアンケートしたりインタビューするなど、いろんな人に話を聞いて、その要望をほぼ入れたんです。例えば新幹線に乗っていてスマホをスリープにしていても塗れるとか、もその1つです。

 この前、ラジオで伊集院さんが「行きは新幹線、帰りは深夜バスで塗った」と言っていたのは驚きましたが(笑)。街区が膨大な量になったら、一晩中プチプチぬらなきゃいけないのが意外と大変、という声もありました。“課金して一気にぬりたい”という要望なども入れていったんですよ。

――いわゆるスマホゲームだと「課金」はマネタイズするために重要な要素だと思います。もちろんそこはメーカー側にとって外せない要素だと思うのですが、今の話を聞くと“ユーザーファースト”での課金システムになっているように感じます。

田村:そうですね。「ぬり」は麻野が提唱しましたけど、いざ課金について考えたとき、“何にユーザーの方はお金を払ってくれるか”っていうのは正直、あまり思いつかなかったんですよ。なので、お客さんにヒアリングして「これだったら払うよ」と提案していただいたものを取り入れたんです。サブスクリプションの「ディスカバリー・コース」だとスマホを立ち上げず、“バックグラウンドでぬる”こともできるんです。

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