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ラツィオに大黒柱インモービレの“コロナ隠蔽”疑惑で捜査が…最悪、リーグ追放も
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2020/11/29 17:00
“コロナ隠蔽疑惑”が出ており、ラツィオとインモービレは周囲の雑音とも戦わなければならない
それは、ラツィオがもしCLに出場していなければ事件は発覚しなかったのではないか、という疑念だ。
問題が発覚したのは、彼らにUEFAが直接管理する検査を受ける義務が偶然あったからで、広大なヨーロッパ大陸には欧州カップ戦とは無縁のクラブの方が圧倒的に多い。
検査体制の一極集中化は、イタリアではひとまず財源のあるセリエAのみで推進される。しかし、その改正や監視が及ばないシーズン終盤の2部セリエBの場合は? プレーオフ直前にエースのコロナ陽性を知ったクラブが隠蔽の誘惑に打ち克つ保証は?
悪事がバレたとしても数千ユーロの罰金程度では、現実の防波堤としては甚だ心許ない。新型コロナウイルスは、サッカーに携わる人間の良心も業の深さも試している。
11月25日、ラツィオのロティート会長はアベリーノ地方検察庁から召喚されて、4時間近い本格的な事情聴取を受けた。裁定が出るまで、ラツィアーレにとっては気が気でない師走になりそうだ。