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「選手へのリスペクトは挫折から…」矢部浩之が明かす、高校で出会った“バケモン”と『岡村を吉本に誘った』ワケ
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byShigeki Yamamoto
posted2020/11/29 11:03
11月29日23時からDAZNで配信が開始される『やべっちスタジアム』への意気込みをポーズで表してくれた矢部浩之さん
例えば海外のサッカー選手は体毛を剃っている話をした際、『やっぱりトゥルンなん?』って聞くんです。そうすると『自分もトゥルンです』と答えてくれる。みんな、パスが回ってこないとかいろんな厳しさ、挫折を経験して、ひとつ殻を破って成長して帰国してくるんですよね。それは海外に行く前と行った後でインタビューするのでよくわかりますね」
――矢部さんが一番成長を感じた選手は誰でした?
矢部 「高原選手は、ドイツに行く前と行った後ではだいぶ変わりましたね。あんまりしゃべらないんでインタビュアー泣かせとか言われていましたけど、めちゃめちゃしゃべるようになって人間的にも大きくなった。ついには、番組で温泉にも行くようになったんで(笑)。びっくりですよね」
「サッカーって、“90分間アドリブ”なんですよね」
11月29日、午後11時から矢部さんの新しい番組『やべっちスタジアム』がキックオフされる。18年半続いた『やべっちF.C.』の魂を継承するように、エンブレムにはブルーとオレンジのカラーを使用し、新番組ながら違和感なく見られる配慮もなされている。
――いよいよ新しい番組がスタートします。何か新しい企画など考えていらっしゃいますか?
矢部 「前の番組をやっていて分かったのは、選手ファーストの姿勢でやっていくと、その選手のチームのサポーターもついてきてくれること。そこは変わらずに大事にしていきたいですね。ただ、最初は気負わずに、特に新しい企画をやろうとは思っていないです」
――地上波ではないので、番組として見せられるもの、できるものも増えそうです。
矢部 「前の番組でできなかったことをやりたいですし、今まで以上にサッカーを見ていない人にサッカーって楽しいな、魅力的だなと思ってもらえるような番組にしたいですね」
――サッカーの魅力はいろいろあると思いますが、矢部さんが考える魅力とはなんでしょう。
矢部 「サッカーは戦術とか約束事とかあるんですけど、キックオフの笛が鳴ったら、あとは“アドリブ”なんですよ。そのアドリブを90分間続けて、試合に勝つのってすごく難しいし、だからこそ面白い。それはサッカーの魅力の1つやと思います。