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「なぜ2年で…?」プロ野球の“不可解な”戦力外通告 「とりあえず“ハイッ!”」ができずクビに?
posted2020/11/25 17:04
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Getty Images
10月のドラフト会議が終わって、11月はその入団交渉や契約成立の華やかな話題が報じられる一方で、戦力外通告や引退、育成再契約など、プロ野球界は「集まり散じる」季節を迎える。
連日のように報じられる戦力外通告の記事に出てくる選手たちの名前を見ていると、正直なところ、やっぱりプロはちょっと早かったか……と思ったり、性格的に向いていなかったのかなぁ……と思ったり、入団した頃に抱いた感想が当たってしまう場合があるのだが、時として、
「えっ、どうしてこの選手が、このタイミングで?」
と、ショックを受けるケースもあったりする。
選手との契約関係を継続するのか、解除するのか――それは、チームの勝ち負けと同様に重大なことだから、それぞれに確固たる“理由”があるのだろう。だがそこまで踏み込んで公表されないので、勝手な想像の中で、悶々としてしまうことがある。
「なぜ2年で?」ある選手の“戦力外”
ある野球センス抜群の選手が、わずか2年で「戦力外」になって、驚いたことがあった。
高校時代は、1年生から大舞台を踏んで3年間の実績は申しぶんなく、「主軸」とまではいかなくても、バイプレーヤーとして貴重な戦力になれるだろうな……と楽しみにしていた。大きな故障も聞いていないし、何かやらかせば、インターネットの世の中だ……たちどころに知れ渡る。
どうして、2年で……。
ずっと不思議に思っていたら、ある時、こんな話が伝わってきた。