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【川崎J1最速V】中村憲剛「個を極めるって無限」/イニエスタも絶賛の連動/小林悠の家族愛スピーチ
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKiichi Matsumoto
posted2020/11/25 20:30
2019年、ルヴァンカップを制した際、大事そうに優勝杯を持つ中村憲剛。その姿に、タイトルへの思いが現れていた
<名言3>
個を極めるって、天井がない。無限なんですよ。
(中村憲剛/971号 2019年1月31日発売)
◇解説◇
この4年間で3回のリーグ優勝、2019年もルヴァンカップ制覇。ここ数年のJリーグはフロンターレを中心に回っているといっても過言ではないだろう。そんな川崎といえば、小気味いいパスで崩すスタイルが真骨頂だ。その頭脳であり続ける中村憲剛。この号のインタビューで中村は、パスの精度という“個人能力”について、このように表現していたことがある。
「毎日、1本のパスにどれだけ集中して力を注げるか。よりうまくパスを通すにはどうするか。周りがミスなくパスを通すには、自分がどこに、どう動けばいいのか。それを常に頭の中でフル回転させながらやってきましたね」
技術は日々の積み重ねあってこそだとし、目指すは「仙人」の境地だとも語っていた。
そんな彼が、40歳となった今シーズン限りでの現役引退を表明した。35歳の時点ですでにこの年齢での引き際を考えていたと本人は会見の場で語っていたが、J1王者のレギュラークラスとして活躍する姿に、“まだまだできるんじゃないか”との思いが多くの人の脳裏によぎったはずだ。
それは1本1本のパスに対して、満足することなく磨き上げた蓄積があるからこそ。憲剛が等々力で、そして練習場の麻生グラウンドで日々追い求めたものは大島僚太、田中碧、脇坂泰斗らといった主力、そして育成組織の選手たちにも継承されていくのだろう。
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