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【川崎J1最速V】中村憲剛「個を極めるって無限」/イニエスタも絶賛の連動/小林悠の家族愛スピーチ

posted2020/11/25 20:30

 
【川崎J1最速V】中村憲剛「個を極めるって無限」/イニエスタも絶賛の連動/小林悠の家族愛スピーチ<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

2019年、ルヴァンカップを制した際、大事そうに優勝杯を持つ中村憲剛。その姿に、タイトルへの思いが現れていた

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NumberWeb編集部

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Kiichi Matsumoto

雑誌「Sports Graphic Number」と「Number Web」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は2年ぶり3度目のJ1制覇を史上最速で成し遂げた川崎フロンターレをめぐる、印象的な3つの言葉です。

<名言1>
チームとしてしっかりしていて、良いサッカーをしている。個人としても非常に良い選手がそろっている。
(アンドレス・イニエスタ/NumberWeb 2018年10月23日配信)

◇解説◇
 2018シーズン、前年に悲願のJ1制覇を成し遂げた川崎フロンターレ。鬼木達監督体制がさらなる充実を見せる中で、サッカーファンに大きなインパクトを残したのが第30節ヴィッセル神戸戦での“極上の殴り合い”だった。

 当時、神戸は鳴り物入りでイニエスタが加入して数カ月のタイミング。大きな話題を集める中で前年度王者フロンターレがホーム等々力でどうヴィッセルを攻略するかが焦点だった。

 試合はイニエスタ、ポドルスキら神戸の個人能力に苦しみ、先制しながらも20分間で3失点を喫する展開となった。しかしそこで慌てないのが川崎。4-2-3-1の“プランB”に変更すると、トップ下に入った家長昭博を中心に攻撃が循環していく。

 気づけば、あのイニエスタがボールを「追う側」に。それほどまでに川崎フロンターレのパスワークは冴え渡ったのだ。

 5-3でフロンターレが勝利した一戦、圧巻だったのは、逆転弾となった大島僚太のゴールである。

 フィニッシュワークまでにつないだパスは、なんと34本。リズミカルなパスワークから、大島が家長のヒールパスに反応してゴール前に侵入すると、小林悠とのワンツーで抜け出す。

 これぞ「3人目の動き」。サッカーの教科書があるならば載せるべき――そう思わせるほどの崩しでゴールネットを揺らした。

 複数の選手が完璧にイメージを共有して連動し、高い技術を駆使して崩したこのゴラッソは、2018年のJリーグ年間最優秀ゴール賞に選出された。

 なお冒頭の言葉は、イニエスタの試合後コメントである。選手やチームスタッフはもちろん、サポーターにしてみれば、最高の賛辞だろう。バルサで栄華を誇った名手イニエスタが、こんな風にフロンターレのスタイルを称えたのだから。

 それから2年後の2020年11月25日、2位のガンバ大阪をホーム等々力で迎え撃った川崎は持ち前の攻撃力、超高速の守→攻の切り替えで相手を圧倒。家長のハットトリックなどもあって5-0で大勝し、鮮やかにJ1最速優勝を決めた。

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