野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
6年ぶりに復活“二代目”「もつ鍋わたり」ベイスターズへの毒舌も健在「モバ浜の話なんかするんじゃねぇよ」
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byHidenobu Murase
posted2020/11/20 17:02
二代目「もつ鍋わたり」のオープンに駆けつけた元ベイスターズの中野渡進氏(右)。左は新店主のリーチならぬ、リッキーさん。
「6年前と大して変わんねえな、オイ」
――わたりさん、ご無沙汰しております! 二代目もつ鍋わたり開店、おめでとうございます! そして、この6年の間にベイスターズは常にAクラスを争うチームになりましたよ!
「久しぶりだな。しかし、なんだ。シケシケの4位なのにAクラスの常連風で語ってくるのは、最下位なのに4位ぐらいの態度で話してきた6年前と大して変わんねえな、オイ」
――すみません。いろんな意味でごぶさたしております。こちら、二代目は明るくていい店ですね。何よりほのかに漂うもつ鍋の香りが同じで……懐かしいです。
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「今日は開店のめでたい席なんだからよ。モバ浜(※注:ベイスターズの意。モバゲー横浜)の話なんかするんじゃねぇよ。縁起でもねえな」
――いやいや。ご存じないかもしれませんが、NumberWebでの「もつ鍋わたり」シリーズが終わってから、ベイスターズ、けっこう強かったんですよ。
「知ってるよ。見てたからな。やっぱり、キーちゃん(木塚コーチ)が育てたブルペンはいいよねぇ。最近の石田なんかすっかり腹が据わって男の顔をしてるよ。三嶋の投げっぷりも完全にひと皮むけたな。俺は法政キライだったけどよ、こいつらは好きだぜ。いや、大したもんだよ」
――やはりわたりさん自身の経験からも、登板過多になりがちな中継ぎ投手には自然と心寄せてしまうんですね。
「横浜のブルペンは特に頑張ってんだろ。なかでもエスコバーは別格だよな。ベンチが『行ってくれ』といえば顔色ひとつ変えずに淡々と毎日マウンドに上がる。ありゃあキーちゃんも一生頭上がんねえだろうよ。もしも俺が現役の頃に、竹下慎太郎の代わりにエスコバーがいたら優勝してたな。ただ、森さんの使われ方なら年間102試合で108イニング投げさせられてたろうから、2年で引退してんだろうけど」