野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
6年ぶりに復活“二代目”「もつ鍋わたり」ベイスターズへの毒舌も健在「モバ浜の話なんかするんじゃねぇよ」
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byHidenobu Murase
posted2020/11/20 17:02
二代目「もつ鍋わたり」のオープンに駆けつけた元ベイスターズの中野渡進氏(右)。左は新店主のリーチならぬ、リッキーさん。
「来年はいよいよ番長だろ?」
――なんだか詳しいですね。もしかして結構見てるのですか?
「毎日ダイジェストをYouTubeで見て、気になるやつがいたら試合を観るようにするんだけどよ、今年、特に気になったやつは伊勢だな。あれもうちょいガッツ入ればかなりいけんじゃねぇの。あの球質は……俺の好きな雰囲気があるわ」
――明大出身のサイドでスタイルが木塚さんに似てるからじゃないですか。
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「そういうことだろうな」
――否定してくださいよ。
「まぁ、しかしおまえはベイスターズが弱くなると来るな。ラミレスが辞めて、来年はいよいよ番長だろ? これで、どっちに転ぶかだよな。厳しく勝ちに行けんのか。人気取りに走っちまったら、またシケシケの最下位常連に逆戻りすることだって十分にある。まわりの人たちが重要になってくるんじゃねえの」
――コーチ人事、楽しみですね。
「田代さんや川村さん、当然木塚あたりも抑えてんだろうな。あとは(石井)琢朗さんみたいなコーチが欲しいよな。今年も優勝したジャイアンツから若い選手がどんどん出てくるのも、あれ、琢朗さんの仕業だろ。超ストイックに教えてんのが想像つくよ。ああいう人がいると強ええって。しばらくはジャイアンツが離さねえだろうけど、戻ってこないのかねぇ」
――そうですね。今年優勝したジャイアンツには琢朗さんのほかにも、相川さん、金城さん、村田修一さんと優秀な……
「おいっ! ジョン・ターニーを忘れてんじゃねえよ」
――すみません。ジョン・ターニーさん。あと、ヤクルトには斎藤隆さんもいました!
「……それはいいけどよ。まぁ、選手でもロペスや石川雄洋が退団して、これで梶谷がFAで移籍なんてことになっちまえば、もうモバ浜の面影も消えた違うチーム。楽天とかオリックスみたいになっていくんじゃねえの。野球界全体がそういう傾向だろ。選手にとってはいいことだとは思うけどな。ロッテに行った沢村を見てみろよ。自分の色があえば、まだまだやれるやつは山ほどいる。ラミレスだって他所で監督やるんじゃねえの」
ラミレスは「監督としての器はあったと思うよ」
――監督としてのラミレスさんはわたりさん的にどう映りましたか?
「ラミレスは奇策が裏目に出ちゃっただけでよ、監督としての器はあったと思うよ。少なくとも、自分の手柄にするために球団にゴマすりするような監督じゃない。どっちかっていうと選手寄りだったろ。ただ、奇策が裏目っちゃうだけでよ。奇策が」
――選手も監督も、1球団だけで終わることは幸せなことだとしても、決していいことだとは限らないのかもしれないですね。
「なにもプロ野球だけが野球人生じゃねえからな。あの細山田だってよ、プロじゃ鳴かず飛ばずでもトヨタで都市対抗出て日本一のキャッチャーになった。それでいいんだよ。今年、栗林ってのが広島にドラフト1位で入っただろ。細山田に受けてもらってる分、プロの考えもわかってるアドバンテージがある。細山田より打つ奴は山ほどいるけどよ、細山田のような経験を積んできたやつは野球界見渡したってなかなかいねぇってことなんだよ」