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巨人が日本シリーズ「全試合DH」を受けた本当のワケ 周東佑京に“秘密兵器”を使うためだった!
posted2020/11/20 17:05
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
たかが盗塁。
しかし今年の日本シリーズは、その盗塁が勝負の決め手となる可能性を秘めている。
いよいよ11月21日から始まる日本シリーズは、昨年と同じソフトバンクと巨人の激突となった。
昨年はソフトバンクの4連勝という予想外の結末に終わったこのカードだが、リベンジを期す巨人にとって、今年は徹底的にマークすべき選手がもう1人、増えているのが気になるところだ。
ソフトバンクのスピードスター・周東佑京内野手である。
「周東には好き勝手にやらせないってことでしょうね」
レギュラーシーズンでもソフトバンクは、周東の足から苦しい局面を切り開いて、結果的に大きな勝利を手にした場面が1度や2度ではなかった。ド派手なホームランや快投乱麻のピッチングではない。周東は走ることで、試合の流れを動かせる選手なのである。
それだけに巨人もシリーズでは当然、この周東の足封じに躍起となっている。
「周東には好き勝手にやらせないってことでしょうね。そこだと思いますよ」
こう語るのは巨人の宮本和知投手チーフコーチだった。
「とにかく塁に出さないのがベストです。彼が出ると神経を使わないといけない。だから何とか周東を塁に出さない。でも、もし塁に出してしまったら、周東の足っていうのは日本全国のみんなが期待していると思う。そこを我々がチームプレーで、色々とやりたいと思います」
チーム一丸で仕掛ける。
その1つが実はソフトバンクから提案された、全試合での指名打者制度の導入を受け入れたことだった。